日本語 編集

動詞 編集

はじまるまる、(稀)まる】

  1. 新たに物事が行われるようになる。
  2. 休んでいた状態から実際に行われる状況になる。開始点として画される。
    • 学校は四月に始まる。
  3. (「はじまった」の形で)よくみられる言動が起こる。いつものくせが出る。
    • 「そーら、また、お母さんの凝り性が始まったぞ」/息子の一郎は苦笑して、ときどき様子を見に来た。(岡本かの子『雛妓』)
  4. (否定表現「はじまらない」、「はじまらぬ」などの形で)変化が生じない。問題が解決しない。しかたがない。むだである。
    • 私たちの一家は、親子三人芸術に関係している。都合のいいこともあれば都合の悪いこともある。しかし今更このことを喜憂しても始まらない。(岡本かの子『巴里のむす子へ』)
    • 見えないと始まらない。 見ようとしないと始まらない。

活用 編集

用法 編集

  1. 「初まる」表記も以下のように用例があるが、近年では「始まる」表記が優勢・一般化している。
    • 1917年(豊島与志雄訳), ビクトル・ユーゴー「レ・ミゼラブル」[1]
      物語作者の権利の一つとして過去に立ち返り、一八一五年に、しかも本書の第一部において語られた事件の初まる少し前まで、さかのぼってみよう。
    • 1939年, 宮本百合子「獄中への手紙」[2]
      九日づけのお手紙、昨晩茶の間の夕飯が初まろうというときに着きました。どうもありがとう。

関連語 編集

翻訳 編集


編集

  1. 青空文庫(2007年1月15日作成、2013年4月21日修正)(底本:「レ・ミゼラブル(一)」岩波文庫、岩波書店、1987(昭和62)年4月16日改版第1刷発行。「レ・ミゼラブル(二)」岩波文庫、岩波書店、1987(昭和62)年4月16日改版第1刷発行。)https://www.aozora.gr.jp/cards/001094/files/42601_25759.html 2020年6月27日参照。
  2. 青空文庫(2004年8月17日作成)(底本:「宮本百合子全集 第二十巻」新日本出版社、1986年3月20日第5刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/33188_16391.html 2020年7月24日参照。