付録:古典日本語の発音表記

現代日本語の発音については付録:日本語の発音表記を参照。

音韻の変化 編集

音韻は時代とともに以下のように変化したと考えられている。歴史的仮名遣も参照。

  • ハ行: 現代ではh(「ふ」はf)の音であるが、奈良時代まではp、平安初期にはɸ(ファ行)になったとされている。平安中期以降については以下の通り(ハ行転呼も参照)
    • 語頭: 引き続きɸ音で発音され、近世になって現在のh音となった。
    • 語中・語尾: β̞(ワ行)となり、「ひ」「へ」「ほ」はその後更にア行の「い」「え」「お」へと変化した。
  • せ: 16世紀の記録では「しぇ」の音であったとされる。但し関東では「せ」の音で発音されていた。
  • ち: 元々は「てぃ」のような音であったが室町時代末頃には現在の「ち」となっていたと考えられる。
  • つ: 元々は「とぅ」のような音であったが室町時代末頃には現在の「つ」となっていたと考えられる。
  • ぢ: 元々は/di/「でぃ」の音であったが 室町時代末には/dʒi/となり、江戸時代には「じ」と同じ発音になったと考えられる。
  • づ: 元々は/du/「どぅ」の音であったが 室町時代末には/dʒu/となり、江戸時代には「ず」と同じ発音になったと考えられる。
  • ゐ: 「うぃ」の音であったが13世紀半ば頃に「い」に合流し、「い」の音になったとされる。
  • ゑ: 「うぇ」の音であったが13世紀に入ると「いぇ」となり、18世紀中頃に「え」となった。
  • を: 「うぉ」の音であったが江戸時代に「お」に変化したとされる。
  • あ段+う、ふ: 平安時代には書いた通りに読んでいたと考えられるがその後「oo」へと変化していった。例「あふぎ」: あふぎ→あうぎ→おーぎ
  • い段+う、ふ: 平安時代には書いた通りに読んでいたと考えられるがその後「yuu」へと変化していった。例「しうと」: しうと→しゅーと
  • え段+う、ふ: 平安時代には書いた通りに読んでいたと考えられるがその後「yoo」へと変化していった。例「けふ」: けふ→けう→きょー

アクセント 編集

古典日本語のアクセントについては院政期(平安時代後期)の京都のアクセントの記録から残っており、その種類はアクセント語類としてグループ分けされている。

名詞 編集

動詞 編集

以下、連体形について記述する。従って上一段活用や下一段活用の語は終止形より1拍多くカウントされる。

形容詞 編集

連用形及び連体形について記述する。