日本語 編集

名詞 編集

せっぷく

  1. 刃物用いて自分腹部切開死ぬこと。武士としての名誉保つ行為割腹屠腹はらきり
    • それがし儀明日年来の宿望しゅくもう相達しそろて、妙解院殿みょうげいんでん(松向寺殿)御墓前において首尾しゅびよく切腹いたしそろことと相成り候。しかれば子孫のため事の顛末てんまつ書き残しおきたく、京都なる弟又次郎宅において筆を取り候。――森鴎外 (1912年). “図書カード:興津弥五右衛門の遺書”. 青空文庫. 2023年6月27日閲覧。
    • たとえばある工学者がある構造物を設計したのがその設計に若干の欠陥があってそれが倒壊し、そのために人がおおぜい死傷したとする。そうした場合に、その設計者が引責辞職してしまうかないし切腹して死んでしまえば、それで責めをふさいだというのはどうもうそではないかと思われる。――寺田寅彦 (1935年). “図書カード:災難雑考”. 青空文庫. 2023年6月27日閲覧。
  2. 江戸時代武士科した刑罰一つ
    • 噛みつかれた野良犬を、つい蹴とばしただけで、当人は切腹、家は断絶、一族は離散のうき目をみた旗本もある。――吉川英治 (1935年). “図書カード:新編忠臣蔵”. 青空文庫. 2023年6月27日閲覧。
    • また氏家伝次は、若年の采女うねめに頼まれて、辞退すべきところを引受け、国老を詰問したのは僣上である、これも切腹に処すべきであるが、同じ理由によって逼塞を命ずる、――山本周五郎 (1956年). “図書カード:樅ノ木は残った 第四部”. 青空文庫. 2023年6月27日閲覧。

活用

サ行変格活用
切腹-する

派生語 編集

翻訳 編集


中国語 編集

名詞 編集

(qiēfù)

  1. 腹に刃物を突き立て自殺する。主に日本における自殺の方法。