きりきりまい【きりきり舞(い)】
- (「きりきり」は独楽などが回る様を表す擬態語)くるくると回る舞踏、又はその様子。
- それより以前には、私の左の横顏だけを見せつけ、私のをとこを賣らうとあせり、相手が一分間でもためらつたが最後、たちまち私はきりきり舞ひをはじめて、疾風のごとく逃げ失せる。(太宰治 『ダス・ゲマイネ』)
- 非常に忙しく、立ち回ること。てんてこまい。
- 丁度虎船長は、明日積荷を売るについて、その準備に、帳簿と書類の間にうずもれて、きりきりまいの最中だった。(海野十三 『火薬船』)
- 自らが統御できないことに翻弄される様。
- こういう、文化の素朴な伝統の中から、ああいう底なしの壺にうちこまれると、キリキリまいをしているうちに、ズルズルと沈んでゆく。(宮本百合子 『獄中への手紙 一九三九年(昭和十四年)』)