異表記・別形
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ことかく【事欠く】
- 必要なものがなくて不自由する。
- 旧冬十一月からことしの正月末へかけて、こんな冬季の乾燥が続きに続いたら、今に飲料水にも事欠くであろうと言われ、雨一滴来ない庭の土は灰の塊のごとく、草木もほとほと枯れ死ぬかと思われた後だけに、この雪はめずらしい。(島崎藤村 『雪の障子』)
- (多くは「~(する)に事(を)欠いて」の形で、特に非礼に対する非難の意を込め)~するにも他に適当なやり方・言い方があるだろうに、わざわざそうする。
- 此の寺の留守居をする出家を捉まえてそれに邪淫の戒を犯せと云う、そないな事があろうかい、頼むに事を欠いてまア呆れた、そして罪な事じゃないかい(三遊亭圓朝 鈴木行三校訂 『松の操美人の生埋 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し』)
- 俺はジャムは毎日舐めるがビールのような苦い者は飲んだ事がないって、ふいと奥へ這入ってしまったって――言い草に事を欠いて、まあどうでしょう、失礼じゃありませんか(夏目漱石 『吾輩は猫である』)
- 悪戯をするに事を欠いて、御殿女中ともあろう者が白縮緬で顔を隠し、深夜に町家へ押し入って押し借りをするのを咎められないとは、沙汰の限りではありませんかな(国枝史郎 『紅白縮緬組』)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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---|
否定 |
ことかかない |
未然形 + ない
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意志・勧誘 |
ことかこう |
未然形音便 + う
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丁寧 |
ことかきます |
連用形 + ます
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過去・完了・状態 |
ことかいた |
連用形音便 + た
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言い切り |
ことかく |
終止形のみ
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名詞化 |
ことかくこと |
連体形 + こと
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仮定条件 |
ことかけば |
仮定形 + ば
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命令 |
ことかけ |
命令形のみ
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語義1