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名詞:

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さしがね

  1. 【差(し)金、指(し)金】
    1. (「指矩」とも)大工用具で鋼又は真鍮製の直角に曲がった物差し。曲尺
      • 水平、垂直の感覚を、彫刻家はねそべっていても知る。大工はさげふり差金で柱やけたを測る。彫刻家は眼の触覚が掴つかむ。所謂太刀風たちかぜを知らなければ彫刻は形を成さない。(高村光太郎 『触覚の世界』)
    2. 人形浄瑠璃などの操り人形の手の動きを操作する棒。
    3. 歌舞伎などで作り物の蝶や小鳥を動かすのに用いる棒。
    4. (1-2又は1-3より)隠して行う指示。教唆
      • それが赤シャツの指金さしがねだよ。おれと赤シャツとは今までの行懸ゆきがかり到底両立しない人間だが、君の方は今の通り置いても害にならないと思ってるんだ(夏目漱石坊つちゃん』)
      • あとになつて、たみの代りに年とつた肥えた女中が私へつくやうになつたが、それが母のさしがねである事を知つた私は、母のその底意を考へて顏をしかめた。(太宰治 『思ひ出』)
  2. 【差(し)金】掛け金を止める金具。
    • 庭の木戸の輪掛金に、きつい差金を少し強く差込まれたのが、どうしても取れないで、今井はまごまごしていた。それを澄子は見かねて、一度にぐっと引抜いてやった。(豊島与志雄 『変な男』)
    • クリストフは笑いだしまた怒りだして、彼らの肩をとらえて押しやり、シャツのまま外に送り出して、そのあとから扉に差し金をおろしてしまった。(ロマン・ローラン著豊島与志雄訳『ジャン・クリストフ』)
  3. 差金】(「さしキン」とも)手付金。特に米穀相場取引における証拠金