しばしば【屡、屡屡】
- 物事が一定の間隔で繰り返し起こるさま。「しょっちゅう」と「ときどき」の中間程度の頻度。
- 電車道に面した町はしばしば往来しているが、奥の方へは震災以後一度も踏み込んだことがなかったので、久振りでぶらぶらあるいてみると(岡本綺堂「三崎町の原」)〔1928年〕[1]
- だが、若い日本人には、科学知識の豊富なものが随分と沢山できてきた。少年少女の理科知識に驚かされることが、しばしばある。(海野十三「電気看板の神経」)〔1930年〕[2]
- 「しばしばの~」の形で名詞を修飾できる。
- それに最近、親しい二、三の作家とのしばしばの往来は、私の思想に一層明らかな影像を投げるに至った。(柳宗悦「工藝の道」)〔1928年〕[3]
- 「~しばしばだ」「~しばしばである」などの形で述語になれる。
- 寝床の中で眼を覚して、手や足がしびれてることはしばしばだ。(豊島与志雄「憑きもの」)〔1949年〕[4]
しばしばする
- 目のまばたきを細かく繰り返す。
- まっくらな天井へ向けた二つの眼をしばしばさせていた(竹内浩三「手紙」)[5]
- 秋声氏は子供のように目をしばしばさせて、そうねとおっしゃったきりだった。(林芙美子「新版 放浪記」)〔1930年〕[6]
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | しばしばしない | 未然形 + ない |
否定(古風) | しばしばせず | 未然形 + ず |
自発・受身 可能・尊敬 | しばしばされる | 未然形 + れる |
丁寧 | しばしばします | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | しばしばした | 連用形 + た |
言い切り | しばしばする | 終止形のみ |
名詞化 | しばしばすること | 連体形 + こと |
仮定条件 | しばしばすれば | 仮定形 + ば |
命令 | しばしばしろ しばしばせよ | 命令形のみ |