だち も参照。

日本語 編集

名詞:武器 編集

たち太刀大刀

  1. (刀剣) 長く大きな刀剣総称
  2. (刀剣) 向け吊り下げる、長く大きな刀剣。

名詞:立ち 編集

たちち】

  1. 立つこと。立っている状態。
  2. 出発すること。出立
    • 「へへへへ――もう、あの方々、皆、お立ちで?」「京へ下りた。てんぼうが一人だけ残っている。餅を少し分けてくれんか」(直木三十五『南国太平記』)〔1931年〕[1]

熟語 編集

名詞:建ち 編集

たちち】

  1. 建て入れ

名詞:質 編集

たち

  1. が生まれ持っている性質体質
    • 弟は、どちらかといえば、気のきかない、おんぼりとしたたちで、学校へ行っても、あまり物事をよく覚えませんでした。(小川未明『白すみれとしいの木』)〔1920年〕[2]
    • 反対にその優越条件に目をつけて、青年学生を誘惑しようとするたちのよくない女性があるに相異ない。(倉田百三『学生と生活』)〔1937年〕[3]
    • 私は、ひとの容貌や服装よりも、声を気にするたちのようである。音声の悪いひとが傍にいると、妙にいらいらして、酒を飲んでもうまく酔えないたちである。(太宰治『母』)〔1947年〕[4]
  2. 物事備える性質
    • カリングという探偵は、そうずばぬけた活動はしないで、綿密に、徐々に、いつのまにか微細な点にわたるまで事件の真相をほどいているというたちの探偵法を用いています。(平林初之輔『愛読作家についての断片』)〔1925年〕[5]
    • 紙もそうですが、画絹もたちのよし悪しで、仕上がった後に画品への関係がよほどあるように思います。(上村松園『迷彩』)〔1939年〕[6]
    • 女ばかりの株式会社は、要するに御亭主の支店のようなものであり、女の細心で儲けて見せますというたちのものである。(宮本百合子『花のたより』)〔1935年〕[7]

用法 編集

語義1は、好ましくないことに関して使われる場合が多い。

類義語 編集

名詞:館 編集

たち

  1. 貴族邸宅役人官舎
    • 国司のたちなどに往くと、十日も二十日もそこにいることがありました。そして、国司や、奥方の身のまわりの用を足してやりました。(田中貢太郎『花宇賀長者物語』)〔1934年〕[8]

動詞 編集

たち

  1. たつ」の連用形。

接尾辞 編集

たち

  1. 名詞代名詞など(通常は人間、生物、神霊などを指す)に付いて複数形を表す語。
    • 子供たちが集まって劇をするということは、楽しい遊びであると同時に、おたがいの勉強であるということを忘れないようにしたい。(岸田國士『劇の好きな子供たちへ』)〔1950年〕[9]
    • わたしたちが、ほんとに人間らしく生活したい、という希望を語るとき、誰がそんなことは生意気な望みだというだろう。(宮本百合子『いのちの使われかた』)〔1947年〕[10]
  2. 名詞代名詞などに付いて仲間一行を表す。
    • しかもその朝東京から出掛けて来た自分たちと軽井沢に逗留していられる寺田さんたちとが、こうして同じ電車に落ち合ったのである。(和辻哲郎『寺田さんに最後に逢った時』)〔1936年〕[11]
    • 近所のお猫さんや、うさぎさん、犬さん、あひるさん、羊さん、牛さんたちは、腹が立つてはゐましたが、虎さんにかみころされては、あんまりかあいさうだと思つて、ピストルや、てつぱうをさげて、とんできました。((村山籌子『お鼻をかじられたお猫さん』)〔1931年〕[12]

翻訳 編集

  • サハ語(ヤクート語)・接尾辞: -лар
  • 中国語:  (繁): / (簡):
  • 朝鮮語:  (ko) (deul)

同音異義語 編集

たち


古典日本語 編集

名詞:武器 編集

たち太刀大刀

  1. (上代語, 刀剣) りの無い長大刀剣
  2. (平安時代以降)反りのある長大なかたな

発音 編集

二拍名詞三類(?)

名詞:館 編集

たち

  1. 貴族邸宅役人官舎
  2. とりで

接頭辞  編集

たちち】

  1. 動詞に付いて動作・状態を強調する。

接尾辞 編集

たち

  1. 神や人を表す語に付いて敬意を含んだ複数を表す。

関連語 編集

脚注 編集

  1. 青空文庫(2007年3月7日作成、2012年3月11日修正)(底本:「直木三十五作品集」文藝春秋、1989年2月15日第1刷)http://www.aozora.gr.jp/cards/000216/files/45567_26392.html 2018年2月10日参照。
  2. 青空文庫(2013年11月1日作成)(底本:「定本小川未明童話全集 2」講談社、1982年9月10日第7刷)http://www.aozora.gr.jp/cards/001475/files/51043_51597.html 2018年2月12日参照。
  3. 青空文庫(2005年9月10日作成)(底本:「青春をいかに生きるか」角川文庫、角川書店、1981年7月30日改版25版)http://www.aozora.gr.jp/cards/000256/files/43130_19349.html 2018年2月10日参照。
  4. 青空文庫(2000年1月23日公開、2005年11月7日修正)(底本:「太宰治全集9」ちくま文庫、筑摩書房、1998年6月15日第5刷)http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/261_20188.html 2018年2月10日参照。
  5. 青空文庫(2010年10月28日作成)(底本:「平林初之輔探偵小説選II〔論創ミステリ叢書2〕」論創社、2003年11月10日初版第1刷)http://www.aozora.gr.jp/cards/000221/files/48001_41346.html 2018年2月10日参照。
  6. 青空文庫(2008年10月23日作成)(底本:「青眉抄・青眉抄拾遺」講談社、1977年5月31日第2刷)http://www.aozora.gr.jp/cards/000355/files/47317_33327.html 2018年2月12日参照。
  7. 青空文庫(2003年5月26日作成)(底本:「宮本百合子全集 第十四巻」新日本出版社、1986年3月20日第5刷)http://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/3158_10799.html 2018年2月10日参照。
  8. 青空文庫(2012年5月22日作成)(底本:「日本怪談大全 第二巻 幽霊の館」国書刊行会、1995年8月2日初版第1刷)http://www.aozora.gr.jp/cards/000154/files/52287_47940.html 2018年2月10日参照。
  9. 青空文庫(2010年10月5日作成)(底本:「岸田國士全集28」岩波書店、1992年6月17日)http://www.aozora.gr.jp/cards/001154/files/44814_40790.html 2018年2月10日参照。
  10. 青空文庫(2003年9月15日作成)(底本:「宮本百合子全集 第十七巻」新日本出版社、1986年3月20日第4刷)http://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/4017_12769.html 2018年2月10日参照。
  11. 青空文庫(2012年1月5日作成)(底本:「和辻哲郎随筆集」岩波文庫、岩波書店、2006(平成18)年11月22日第6刷)http://www.aozora.gr.jp/cards/001395/files/49900_46720.html 2018年2月10日参照。
  12. 青空文庫(2011年10月7日作成)(底本:「日本児童文学大系 第二六巻」ほるぷ出版、1978(昭和53)年11月30日初刷)http://www.aozora.gr.jp/cards/001172/files/44975_45444.html 2018年2月10日参照。