日本語 編集

副詞 編集

はたせかな果せる哉

  1. 思っとおり予想のとおり。案の定
    • 1905年、夏目漱石「吾輩は猫である」[1]
      「なんでござんす、それは」「いえ、何でもないのです。どうもこの気候の逆戻りをするところはまるでハーキュリスの牛ですよ」と図に乗っていよいよ変ちきりんな事を言うと、果せるかな細君は分らない。
    • 1937年、久生十蘭「魔都」[2]
      土木とは奇抜な学科を選んだものだと思われるであろうが、そんなことをいって見たって仕様がない。当人にはそれ相当の抱負があってのことと思われるが、卒業して見ると果せる哉、就職口などはない。
    • 1938年、薄田斬雲訳、アーネスト・トムソン・シートン「動物物語 狼の王ロボ」[3]
      そこでその足跡をつけてゆくと、二キロ足らずのところで、はたせるかな、白のめすおおかみブランカが、わなにかかった足をひきずりながら、牝牛の首をくわえてかけてゆくのに追いついた。

関連語 編集

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  1. 青空文庫(1999年9月17日公開、2018年2月5日修正)(底本:「夏目漱石全集1」ちくま文庫、筑摩書房、1987(昭和62)年9月29日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/789_14547.html
  2. 青空文庫(2012年12月5日作成、2017年8月5日修正)(底本:「久生十蘭全集 I」三一書房、1989(平成元)年2月28日第1版第7刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001224/files/46076_49499.html
  3. 青空文庫(2017年6月25日作成)(底本:「少年倶楽部名作選 3 少年詩・童謡ほか」講談社、1966(昭和41)年12月17日)https://www.aozora.gr.jp/cards/001925/files/56331_62076.html