古典日本語「もだす」 < 「もだ」
もだす【黙す】
- 黙っている。
- その最後の時のために、逸り猛つてくるものをぢつと引き締め、溢れ來る感情をひた押しに押さへてただもだしてゐるのである。(島木健作『一過程』)
- 私は進み出て、もだし難いこの心を貴方がたに話し掛けよう。(柳宗悦『朝鮮の友に贈る書』)
- 何もせず放っておく。
- 自分は嘘をつくのは嫌だ。神さまにすまない。しかし主命もだしがたしでやむをえず嘘をついた。(夏目漱石『倫敦消息』)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
|
否定 |
もださない |
未然形 + ない
|
意志・勧誘 |
もだそう |
未然形音便 + う
|
丁寧 |
もだします |
連用形 + ます
|
過去・完了・状態 |
もだした |
連用形音便 + た
|
言い切り |
もだす |
終止形のみ
|
名詞化 |
もだすこと |
連体形 + こと
|
仮定条件 |
もだせば |
仮定形 + ば
|
命令 |
もだせ |
命令形のみ
|