やえ【八重 歴史的仮名遣い:やへ】
- 幾重にも重なっていること。
- 八雲立つ 出雲八重垣 つまごみに 八重垣つくる この八重垣を(古事記 素戔嗚尊)
- 七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだに無きぞ悲しき(後拾遺和歌集 兼明親王)
- ここで、話が八重になって少しごたごたしますが、一通り順序を話します。(高村光雲 『幕末維新懐古談 家内を貰った頃のはなし』)
- なお、寸志おしるしだけにても、御送り申そうかと考えましたが、これ又、かえって失礼に当りはせぬか、心にかかり、いまは、訥吃、蹌踉、七重の膝を八重に折り曲げての平あやまり、他日、つぐない、内心、固く期して居ります。(太宰治 『虚構の春』)