ラテン語 a priori
アプリオリ
- 前提又は与件として疑うべきでないこと。先天的。
- より高い価値を実現する行為はより善である。カントが道徳律を全然形式的のものとして、実質的のものを斥けたのは実質はすべてアポステリオリでアプリオリのものは形式のみと考えたためであるが、実質的価値はアプリオリである。先験的倫理学は実質的にも可能である。選択愛憎等の情緒的な心情もアプリオリの内容を持ち、「心情の秩序」が存在する。(倉田百三 『学生と教養 ――教養と倫理学――』)
- しばしば「アプリオリに、~というわけではない(否定的言辞)」という形式で用い、前提・与件を疑わせる場合の衒学的修辞の一つであり、用法としては最も一般的である。
- 演繹的。(欧米語における本来的意味の一つであるが、和文の用法としては稀)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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推量・意志 |
アプリオリだろう |
未然形 + う
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過去・完了 |
アプリオリだった |
連用形 + た
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否定形 |
アプリオリでない |
連用形 + ない
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自動詞化 |
アプリオリになる |
連用形 + なる
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言い切り |
アプリオリだ |
終止形のみ
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名詞化 |
アプリオリなこと |
連体形 + こと
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仮定条件 |
アプリオリならば |
仮定形 + ば
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様態 |
アプリオリそうだ |
語幹 + そうだ
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- アポステリオリ
- ただし本語が上記1の修辞目的以外で用いられることが稀であるため、本語ほどに用いられることは少ない。