日本語 編集

名詞 編集

スキンシップ

  1. 触れ合いから生まれる交流。特に、母と子のあいだの身体的接触を通じた交流[1]
    • (...)母親なるべく一緒におって、そして笑ったり怒ったり、しかられたり甘えたりつねられたり、そういうスキンシップによって初めて人間というものが育つのであって、この根源が将来の学校教育やあるいは成人した後の社会教育に及ぶわけであります。(園田直、参議院会議録情報 第094回国会 社会労働委員会 第9号)〔1981年〕
    • それから、高度経済成長になりまして、お父さんもお母さんも働くのに忙しくなる。かぎっ子が出てくる。そうすると、お父さんなんかは働き過ぎ、残業のし過ぎで過労死で倒れる。結局、子供たちはスキンシップが足りずに非行に走る。(矢上雅義、衆議院会議録情報 第142回国会 決算行政監視委員会 第10号)〔1998年〕

語源 編集

英語 skin (en)-ship (en) より[2]kinship (en)のもじりとも言われる[2][1]

平井信義によれば、平井が参加した1953年のWHOのセミナーでアメリカ人が議論中に使った言葉であり、平井がそれを日本に紹介したという[3]。この語の定着の経緯を1997年に調査した田中良子によれば、「スキンシップ」は「英語であるかのようにして日本に紹介され」ているものの、和製英語である[2][4]。言語学者のアン・クレシーニによれば、英語として「ほとんどのネイティブスピーカーには通じない」[5]

関連語 編集

諸言語への影響 編集

参考文献 編集

  1. 1.0 1.1 Hijirida, Kyoko; Yoshikawa, Muneo (1987). Japanese language and culture for business and travel. University of Hawaii Press. p. 218. ISBN 0-8248-1017-1.
  2. 2.0 2.1 2.2 田中良子「スキンシップ概念の検討 : 和製英語の導入と定着」『高松大学紀要』27巻 502-516ページ。1997年
  3. 平井信義『小学館 スーパー・ニッポニカ 日本大百科全書』小学館、「スキンシップ」
  4. 村野井均「保育にかかわる心理学的概念の検討‐母子関係をめぐって」、『現代と保育』13号 ひとなる書房 205‐219ページ 1983年
  5. 「バリバリウケる!ジャパングリッシュ:ペーパードライバーは英語じゃない!」、アルク、2018[1]