人為分類

日本語

名詞

人 為 分 類 （人為・分類　じんいぶんるい）

1. 《分類学等》［広義］　人間とのつながりや区別しやすい特徴などに基づく、生物の分類体系。進化上の近縁性（類縁関係）に拠ることなく、人間が整理するのに便利であったことから生じた（あるいは、生じる）、生物の分類体系。
   • 例えば、「水産の食物としての魚類と無脊椎動物の総称」を意味する「魚介類」は、生物の自然の構成と無関係に成立している分類体系であり、人為分類の典型である。また、「猛禽（猛禽類^(wp)）」とは「鉤爪^(wp)と鋭い嘴を具え、他の動物を捕食^(wp)（もしくは腐肉食^(wp)）する習性を有する鳥の総称」であるが、オオタカ^(wp)はタカ目^(wp)、フクロウ^(wp)はフクロウ目^(wp)、ハヤブサはハヤブサ目^(wp)といったように、それらは進化系統の異なる種の寄せ集めであって、これも人為分類の好例といえる。
2. 《分類学等》［狭義］　自然分類ではない、生物の分類体系。
   • 人間は自然界を主観的にしか解釈できないのであり、厳密な意味での自然の分類体系に照らせば、人間が行う分類体系は全て人為分類に過ぎないという考え方に基づく定義。
   • 長年にわたって自然分類と信じられてきたものが新知見によって誤りを指摘され、人為分類であったと判明することは珍しくない。現在多くの支持を集めている分類体系も、それで完璧と考えている研究者はいないのであり、どこまで行っても到達し得ない自然分類体系に少しでも近付こうとする、それが分類学の目的であるという研究者もいる。

由来

人為による分類であることから。

翻訳

• 英語 : artificial ^(en) system，artificial classification

関連語

• 類縁関係

対義語

• 自然分類

動詞

活用と結合例

人為分類-する 動詞活用表（日本語の活用）

サ行変格活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
人為分類	し せ さ	し	する	する	すれ	しろ せよ

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
否定	人為分類しない	未然形 + ない
否定(古風)	人為分類せず	未然形 + ず
自発・受身 可能・尊敬	人為分類される	未然形 + れる
丁寧	人為分類します	連用形 + ます
過去・完了・状態	人為分類した	連用形 + た
言い切り	人為分類する	終止形のみ
名詞化	人為分類すること	連体形 + こと
仮定条件	人為分類すれば	仮定形 + ば
命令	人為分類しろ 人為分類せよ	命令形のみ