日本語編集

動詞編集

じる (にんじる)

  1. (他動詞) 職務就ける任命する。
    • 1932年、柳田國男「地名と地理」[1]
      歴史を読む者の誰でも知っているのは、鎌倉の幕府の主要なる政略の一つは、全国の荘園に地頭を置いて、主として自分の配下の武士をこれに任じたことであった。
    • 1941年、吉川英治「梅里先生行状記」[2]
      九ツの時、将軍の家光から光の一字をもらい、十三で右近衛権中将に任じられていたが、その官位人爵もおかしくないほど、どことなくおとなびても来、また人品もそなわって来た。
  2. (他動詞) ~だと自負する。「~を以って(自ら)任じる」や「~として自ら(を)任じる」の形が多い。
    • 1913年、内田魯庵「斎藤緑雨」[3]
      下司な所為は決して做なかった。何処の家の物でなければ喰えないなどと贅をいっていた代りには通人を気取ると同時に紳士を任じていた。
    • 1941年、三木清「読書遍歴」[4]
      ベートーヴェン通をもって任じていた久保氏が来てから、私たちの仲間では音楽を語ることが盛んになった。
    • 1950年、坂口安吾「肝臓先生」[5]
      それまでの先生は、特に呼吸器病の医者として自ら任じていた。呼吸器病の侵略たるや、日本に於ては風土病かの観を呈し、あたら有為の人材が業半ばに吐血して去り、まさに亡国病たるの惨状である。

活用編集

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  1. 青空文庫(2019年7月30日作成、底本:「柳田國男全集20」ちくま文庫、筑摩書房、1990(平成2)年7月31日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001566/files/58544_68749.html
  2. 青空文庫(2019年7月30日作成、底本:「梅里先生行状記」吉川英治歴史時代文庫、講談社、1990(平成2)年10月11日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001562/files/56074_68754.html
  3. 青空文庫(2011年5月29日作成、底本:「新編 思い出す人々」岩波文庫、岩波書店、2008(平成20)年7月10日第3刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000165/files/49569_43495.html
  4. 青空文庫(2007年1月7日作成、底本:「現代日本思想大系 33」筑摩書房、1975(昭和50)年5月30日初版第14刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000218/files/46220_25754.html
  5. 青空文庫(2008年4月8日作成、底本:「坂口安吾全集 08」筑摩書房、1998(平成10)年9月20日初版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42617_30959.html