剣 ヶ 峰(けんがみね 表記のゆれ:剣が峰、剣ヶ峯、剣峰)
- 火山の噴火口の縁部。特に、富士山のものを指す事がある。
- その北穂高の東北に接し、槍と同形の峰が二百尺ばかりも屹立っている、小槍とでもいいたい、が穂高の所属だから、剣ヶ峰というておく。(鵜殿正雄 『穂高岳槍ヶ岳縦走記』)
- 土俵を取りまく俵。
- その翌日の晩もまた、旅寝の仮枕――この仮枕が珍妙なる兼合いで、女に押され押されながら、土俵際の剣ヶ峰で廻り込み廻り込み渡って行く兵馬の足どり、それを女は結局おもしろがって、只寄せに寄せてみたり、わざと土俵真中へ逃げてみせたり、翻弄の手を日毎夜毎に用いつくしている。(中里介山『大菩薩峠』)
- 物事のそれ以上後退できない局面。瀬戸際。