日本語 編集

成句 編集

うそからまこと (表記のゆれ:「実」に代え「」「」)

  1. うそのつもりで言ったことが、(多くの場合は偶然、)事実になること。
    • 私は決して善・悪の二つの型を以てそれを測り切らうとするのではない。善と悪とは人の心の内で分ち難く縺れ合つて働く。嘘から出た誠もあれば誠から出た嘘もある。只それらの心の動乱の中を貫き流れて稲妻の如く輝く善が尊いのである。(倉田百三『善くならうとする祈り』)
    • 便宜主義」と名を付ければいかにもいかめしくなるが、実をいうと御目付役見て「見ぬふりをする」のと同じことです。ところがこんどの新刑事訴訟法第二七九条ではついにこれを法文の上に現わして「犯人ノ性格、年齡及境遇並犯罪ノ情状及犯罪後ノ情況ニ因リ訴追ヲ必要トセザルトキハ公訴ヲ提起セザルコトヲ得」と規定するに至った。いわば「嘘」を公認した代りに「嘘つき」の規準を作り、その結果「嘘からまこと」ができたわけなのです。(末弘厳太郎 『嘘の効用』)

同義の他国語のことわざ 編集

参照 編集

  • 上方いろはがるた:氏より育ち
  • 尾張いろはがるた:牛を馬にする
  • 幸田露伴『東西伊呂波短歌評釈』
    • 仮を弄して真を成す、世おのづから其の事多く、橘を植ゑてに変ずる、土之をして然らしむるなり。二語共に佳、悦ぶ可し。