圧 巻(あっかん)
- 最も優れた詩文。
- 此小説は主人公が東京へ出てからの心の変化に、前半程緻密ちみつな且かつ穏当な、芸術的描写が欠けているため、多少のむらがあると思いますが、世間でいう小説の意味から批判すると、或は圧巻の作かも知れません。(夏目漱石 『木下杢太郎著『唐草表紙』序』)
- 書物や演劇などの中で一番優れた部分。
- 此の間、彼が作戦奏上の為め、吉野に参廷したあたりは、正に『太平記』中の圧巻であって、筆者は同情的な美しい筆を自由に振って、悲愴を極めた光景を叙述している。(菊池寛 『四条畷の戦』)
- 圧倒的な印象を与えるもの。
- 昔、科挙において最も優れた答案「巻」を他の答案を一番上に置いて「圧」したことから。