明治時代の劇評に端を発する造語。
変痴奇論 (へんちきろん)
- (古用法) 劇評において、「お約束をぶちこわす無粋」を一々つっこんで評すること。
- (自虐的に)常識の盲点を衝いた、斬新な論理展開であること。
- このやうな化物敎育は、少年時代のわれわれの科學智識に對する興味を阻礙しなかつたのみならず、かへつてむしろますますそれを鼓舞したやうにも思はれる。これは一見奇妙なやうではあるが、よく考へてみるとむしろ當然な事でもある。皮肉なやうであるがわれわれにほんとうの科學敎育を與へたものは、數々の立派な中等敎科書よりは、むしろ長屋の重兵衞さんと友人のNであつたかもしれない。 これは必ずしも無用の變癡奇論ではない。(寺田寅彦『化物の進化』1929年)
変痴奇論だ
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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推量・意志 |
変痴奇論だろう |
未然形 + う
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過去・完了 |
変痴奇論だった |
連用形 + た
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否定形 |
変痴奇論でない |
連用形 + ない
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自動詞化 |
変痴奇論になる |
連用形 + なる
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言い切り |
変痴奇論だ |
終止形のみ
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名詞化 |
変痴奇論なこと |
連体形 + こと
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仮定条件 |
変痴奇論ならば |
仮定形 + ば
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様態 |
変痴奇論そうだ |
語幹 + そうだ
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