拈 華 微 笑(ねんげみしょう)
- 言葉を用いずに意図を伝えること。
- わたしたちはわたしたちの気もちを容易に他人に伝えることはできない。それはただ伝えられる他人しだいによるのである。「拈華微笑」の昔はもちろん、百数十行に亙わたる新聞記事さえ他人の気もちと応じない時にはとうてい合点のできるものではない。(芥川龍之介『十本の針』)
仏教説話で、釈迦が霊鷲山上で説法の際、黙って華を拈ったところ、聴衆のほとんどはその意味を理解できなかったが、迦葉だけがその意味を理解して破顔微笑した故事による。以下に、大梵天王問仏決疑経から引く。
- 爾時大梵天王即引若干眷属來奉献世尊於金婆羅華,各各頂禮佛足,退坐一面。爾時世尊即拈奉献金色婆羅華,瞬目揚眉,示諸大衆,默然毋措。有迦葉破顔微笑。