日本語

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名詞

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(ねつりょう)

  1. (熱力学) 。「熱」の量的側面を強調した表現。
    • 1931年、スワンテ・アウグスト・アーレニウス、寺田寅彦訳「宇宙の始まり」[1]
      ある遊星あるいは衛星が太陽から受取っている熱量は知られている。しかして、これらの物体は固体の皮殻をもっているから、太陽から受取っているとほとんど同量の熱を天の空間に放散し、そうすることによってほとんど恒同な温度を保っている。
    • 1947年、豊島与志雄「水甕」[2]
      会社の工場で、製品の一つとして電熱器を試作していました。当時新たに世に出てる電熱器は、ニクロム線が露出していて切れ易く、而も熱量の調節の出来ないものばかりでした。
    • 1950年、中谷宇吉郎「樹氷の科学」[3]
      一グラムの水を温度一度だけ変化させる熱量は一カロリーであるから、この場合もし一分間に五度の割合で水温が下るとすれば、その一分間にこの水から五〇〇カロリーの熱が取り去られて、塩と雪との混合物の方へうつったわけである。
  2. 熱意情熱の量。
    • 1933年、豊島与志雄「文学の曇天」[4]
      前例を追って云えば、世態風俗の撮影のための描写とも見えるバルザックの或る種の作品や、心理の解剖説明のための叙述とも見えるドストエフスキーの或る種の作品にも、なお、作者の生活意欲を離れては説明出来ないような、特殊な進展力を人に伝える熱量を含んでることがある。
    • 1937年、宮本百合子「道づれ」[5]
      発行されたばかりの雑誌「新時代」についての意見がもとめられた。文科の伝統をひいている「新思潮」と是とは別のもので、遙に急進的でもあり、熱量をも持っていた。

発音(?)

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ね↗つ↘りょー

類義語

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朝鮮語

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名詞

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열량

  1. (日本語に同じ)熱量

ベトナム語

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名詞

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nhiệt lượng

  1. (日本語に同じ)熱量

中国語

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発音(?)

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  • ピンイン: rèliàng
  • 注音符号: ㄖㄜˋ ㄌㄧㄤˋ
  • 広東語: yit6leung6
  • 閩南語: jia̍t-liāng, jia̍t-liōng

名詞

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 ( (簡): 热量 )

  1. (日本語に同じ)熱量
  1. 青空文庫、2010年8月2日作成、2012年5月10日修正(底本:「宇宙の始まり」第三書館、1992(平成4)年11月1日初版発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000226/files/1150_40143.html
  2. 青空文庫、2008年1月16日作成(底本:「豊島与志雄著作集 第四巻(小説Ⅳ)」未来社、1965(昭和40)年6月25日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000906/files/42732_29468.html
  3. 青空文庫、2017年1月12日作成(底本:「中谷宇吉郎集 第五巻」岩波書店、2001(平成13)年2月5日第1刷発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001569/files/57305_60826.html
  4. 青空文庫、2006年4月24日作成(底本:「豊島与志雄著作集 第六巻(随筆・評論・他)」未来社、1967(昭和42)年11月10日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000906/files/42537_22793.html
  5. 青空文庫、2002年4月22日作成、2003年6月29日修正(底本:「宮本百合子全集 第五巻」新日本出版社、1986(昭和61)年3月20日第5刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/1995_6529.html