「のこる」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
→‎{{verb}}: 訳語集の追加。
3行目:
{{infl|jpn|}}【[[残]]る、[[遺]]る】
#[[全体]]のうち[[一部]]が[[なくなる|無くなら]]ないでいる。
#:*一軒二軒、[[むかし|昔]]と[[かわる|変わら]][[ない]][[いえ|家]]が、[[あたらしい|新しい]]家に[[はさむ|挟ま]]れて'''残っ'''ていた。({{w|梶井基次郎}}『[http://www.aozora.gr.jp/cards/000074/files/421_19698.html 過古]』)
#:*[[下宿]]の[[夕飯]]がお{{ふりがな|櫃|ひつ}}に'''残れ'''ば、[[それ]]で[[こっそり]][[にぎりめし|握りめし]]を[[つくる|作っ]]て[[おく|置い]]て[[深夜]]の[[仕事]]の[[空腹]]に[[そなえる|備え]]た。({{w|太宰治}}『[http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/1569_23528.html 東京八景 (苦難の或人に贈る)]』)
#ある[[場所]]に[[とどまる|留まる]]。
#:*[[かれ|彼]]は[[ひとり|一人]][[印刷]][[屋]]に'''残っ'''て、[[少年]][[工]]に[[目次]]を[[くむ|組ま]]せていた。({{w|原民喜}}『[http://www.aozora.gr.jp/cards/000293/files/48493_50117.html 虹]』)
#:*行一が[[大学]]へ'''残る'''[[べし|べき]]か、[[それとも]][[就職]]すべきか[[まよう|迷っ]]ていた[[とき]]、彼に[[研究]]を[[つづける|続け]]てゆく[[ねがい|願い]]と、[[生活]]の[[保証]]と、[[その]][[ふたつ|二つ]]が[[不充分]][[ながら]][[かなえる|叶えら]]れる[[位置]]を[[あたえる|与え]]て[[くれる|くれ]]たのは、彼の[[師事]]していた[[教授]]であった。({{w|梶井基次郎}}『[http://www.aozora.gr.jp/cards/000074/files/428_19704.html 雪後]』)
#一部の[[成員]]が[[しぬ|死ん]]だ[[のち|後]]も[[いきる|生き]][[つづける|続ける]]。[[しにおくれる|死に後れる]]。[[しにのこる|死に残る]]。
#:*[[多勢]][[うまれる|生れ]]た{{ふりがな|同胞|きょうだい}}も、[[みな|皆]][[はやく|早く]][[しぬ|死ん]]で[[自分]]と'''遺っ'''た[[ただ]][[ひとり|一人]]の[[あね|姉]]のお咲<sup>(さき)</sup>も決して[[楽]]な[[生活]]はしていない。({{w|宮本百合子}}『[http://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/2026_34609.html 日は輝けり]』)
#そのまま[[存在]]し[[つづける|続ける]]。
#:*[[のち|後]]に、{{w|伊達政宗}}の[[最初]]の[[居城]]、[[w:岩出山城|臥牛の城閣]]が[[この]][[おか|丘]]の[[うえ|上]]に[[くむ|組ま]]れ、[[当時]]の[[城閣]]を[[しのぶ|偲ば]]せる[[本丸]]の[[地形]]や[[城郭]]の[[あと|跡]]が[[いま|今]][[でも]]'''残っ'''ている。({{w|佐左木俊郎}}『[http://www.aozora.gr.jp/cards/000134/files/724_13550.html 荒雄川のほとり ――私の郷土を語る――]』)
#[[結果]]として{{ジル|生|じ}}た[[ものごと|物事]]がそのままの[[状態]]で[[とどまる|留まる]]。
#:*[[手術]]したって{{ふりがな|痕|あと}}が'''残る'''。({{w|太宰治}}『[http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/2278_20022.html 善蔵を思う]』)
#:*[[随分|ずいぶん]][[ふるい|古い]][[はなし|話]][[だが]][[この]][[事件]][[ばっかり]]は、[[どうしても]][[わすれる|忘れら]]れ[[ない]][[変てこ|変テコ]]な[[印象]]が[[はっきり|ハッキリ]]'''残っ'''ているんだよ。({{w|夢野久作}}『[http://www.aozora.gr.jp/cards/000096/files/2115_21850.html 近眼芸妓と迷宮事件]』)
#:*[[だれ|誰も]][[よむ|読ん]]で[[くれる|くれ]][[ない]][[日記]]なんだもの、[[きどる|気取っ]]て[[かく|書い]]て[[みる|み]]たって、[[さびしい|淋し]][[さ]]が'''残る'''[[ばかり]]だ。({{w|太宰治}}『[http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/1577_8581.html 正義と微笑]』)
#[[後世]]に[[つたわる|伝わる]]。
#:*[[この]][[スタジオ]][[では]]、[[これまで]]に[[かずおおく|数多く]]の[[歴史]]に'''残る'''[[名]][[演奏]]が[[録音]]されてきた。({{w|片岡義男}}『[http://www.aozora.gr.jp/cards/001506/files/52459_41944.html 波乗りの島]』)
#:*[[美術]][[史]]に'''遺っ'''ている[[著名]]な[[女流]][[画家]]――[[w:ローザ・ボヌール|ロザ・ボンヌール]]は[[なに|何]]を[[えがく|描い]]た[[?]] [[一生]]、[[動物]]を描き[[とおす|通し]]、[[傑作]]は[[うま|馬]]だ。({{w|宮本百合子}}『[http://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/3856_13073.html わからないこと]』)
#[[きめる|決めら]]れた[[距離]]や[[時間]]の一部が[[あまる|余る]]。
#:*[[約束]]の[[場所]]へ[[でむく|出向く]][[時間]]、[[多少]]の[[準備]]、[[それら]]の[[空費]]を[[さしひく|差引く]]と、'''残る'''時間は[[おおい|多い]][[もの]][[では]][[ない]]のであった。({{w|坂口安吾}}『[http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42977_21010.html 狼園]』)
#[[相撲]]で[[あいて|相手]]の[[せめ|攻め]]を[[こらえる|堪える]]。
#[[動詞]]の[[連用形]]の後ろに付いて、[[複合動詞]]の一部を構成する。
##存在し続けて、前に付いた動詞の表す動作を行う。
##:*{{ふりがな|傍|かたわら}}の木[[納屋]]、[[とまや|苫屋]]の[[そで|袖]][[には]]、[[しおらしい|しおらしく]][[よめな|嫁菜]]の[[はな|花]]が[[さきのこる|咲'''残る''']]。({{w|泉鏡花}}『[http://www.aozora.gr.jp/cards/000050/files/3551_12122.html 小春の狐]』)
##:*[[わたし|私]]は[[もつ|持っ]]て[[くる|き]]た[[一升瓶]]を[[のむ|飲み]]、[[女給]][[たち]]は[[みせ|店]]の[[ビール]]を飲む。[[そして]][[結局]]、[[看板]][[まで]]私は[[いのこる|居'''残る''']][[こと]]に[[なる|なっ]]た。({{w|田中英光}}『[http://www.aozora.gr.jp/cards/000126/files/1663_21034.html 野狐]』)
##:*[[おしい|惜しい]][[こと]]に[[しごと|仕事]]が[[たえる|絶え]][[ます|まし]]たが、[[工人]][[たち]]は[[いま|今]]も[[いきのこる|生き'''残っ''']]て[[いる]]のです。({{w|柳宗悦}}『[http://www.aozora.gr.jp/cards/001520/files/51820_50713.html 手仕事の日本]』)
##前に付いた動詞の表す動作によって全てが失われることなく、一部が存在し続ける。
##:*[[やけのこる|焼け'''残っ''']]た[[わびしい|侘しい]][[ながや|長屋]]が[[ならぶ|並ん]]でいる。({{w|坂口安吾}}『[http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42953_32598.html 吝嗇神の宿 人生オペラ 第二回]』)
##:*[[うれのこる|売れ'''残っ''']]た[[あおもの|青物]]の{{おくりがな2|萎|しな|び|しなびる}}たのが[[にぐるま|荷車]]の[[うえ|上]]で[[くずれる|崩れ]]ている。({{w|横光利一}}『[http://www.aozora.gr.jp/cards/000168/files/2246_20011.html 旅愁]』)
{{inf-ja||ラ|五|のこ|る}}
===={{pron|jpn}}====