益する

日本語

動詞

益する (えき)

1. (自動詞, 他動詞, 文章語) （「～に益する」の形または「～を益する」の形で）～にとって役に立つ。～にとって利益となる。
   • 1872年、福沢諭吉「学問のすすめ」

     その飲酒、遊冶を禁じたるうえ、またしたがって業につき、身を養い、家に益することありて、はじめて十人並みの少年と言うべきなり。

   • 1905年、伊藤左千夫「家庭小言」

     然り教導的に家庭を説くは、全く無意義なもので、家庭を益することは少く、害する方が多いに極って居る。

   • 1935年、寺田寅彦「死刑囚」

     くだらない人間や、あるいはきわめていけない人間の書いたものでも後世を益することはある。

活用

活用と結合例

益-する 動詞活用表（日本語の活用）

サ行変格活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
益	し せ さ	し	する	する	すれ	しろ せよ

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
否定	益しない	未然形 + ない
否定(古風)	益せず	未然形 + ず
自発・受身 可能・尊敬	益される	未然形 + れる
丁寧	益します	連用形 + ます
過去・完了・状態	益した	連用形 + た
言い切り	益する	終止形のみ
名詞化	益すること	連体形 + こと
仮定条件	益すれば	仮定形 + ば
命令	益しろ 益せよ	命令形のみ