「猫に小判」の版間の差分

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#: 彼猫を捕引出し、左衛門大にいかり、汝大切の金子を何とて、箇様になしたるぞとて、是を切らしむ、鹿左衛門後悔し是我誤なり、俗にいふ'''猫に小判'''、馬の耳に風と、世のたとえもありけるにと、其跡を憐けり、 (獣太平記)
#: 東 念には念を入れよ 西 '''猫に小判''' 東は事に処し物に接する須らく精確詳密にすべきを云ひ、西は機に投じ縁に応ぜざれば金珠も土磔に等しきを云へるなるが、東の方の諺は詩趣無く、西のは佳意無し。(東西伊呂波短歌評釈)
#: {{ふりがな|片|かた}}見世の{{ふりがな|茶筅土人形|ちやせんつちにんぎやう}}かぶり{{ふりがな|太鼓|たいこ}}、すこしは{{ふりがな|目馴|めなれ}}し都めきて是に力を得、しばし{{ふりがな|休|やすみ}}て此うれしさに、あるじの老人に金子一両とらしけるに、'''猫に{{ふりがな|傘|からかさ}}'''見せたるごとく、いやな貌つきして、茶の{{ふりがな|銭|ぜに}}置給へといふ。さても京より此所十五里はなかりしに、{{ふりがな|小判|こばん}}見しらぬ里もあるよとおかしくなりぬ。 (『西鶴好色五人女』四、小判しらぬ休み茶屋)
#: 夫れ劇場の{{ふりがな|不寐見木戸|ねずみきど}}を鼠木戸と心得、封糧側之{{ふりがな|麻子|ねこ}}を猫と呼ぶ。'''猫に小判'''の喩へも空しからず、金猫の名有れば{{ふりがな|鏵|めぬき}}かと思ひ、銀猫とは香炉かと思ふ。 (一目土堤自叙)
#: 武士の道は随分と立つる此男、心の中がいうて聞せたいけれど、貴殿などの聞れては、正真の'''猫に小判'''。 (傾城播磨石)