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語誌
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===語義===
*雑誌『太陽』に用例が見られるが(1909年)、ここでは「羅致」(=網で鳥を捕らえるように、多くの人を招き集めること)の意味で用いられている<ref>[http://www.ninjal.ac.jp/event/specialists/project-meeting/files/JCLWorkshop_no4_papers/JCLWorkshop_No4_08.pdf 『太陽コーパス』における漢語表記の多様性 - 国立国語研究所]</ref>。前田曙山『高山植物叢書』(1907年)では現代と同様の意味で「拉致」が使われているが、用例が三つあるうちの二つはだけでなく植物に対しても「拉致」という言葉が使われている<ref> 「濫りに山神愛惜の名卉(めいき)を拉致(らつち)し来(きた)る、花に対して忸怩たらずんば非ず(p. 78)」「憶ふ元禄壬申の昔に於て、此草は早く下界に拉致せられたりしなり(p. 86)」[http://books.google.co.jp/books?id=0dNbo-akjLYC&dq=%E5%89%8D%E7%94%B0%E6%9B%99%E5%B1%B1%E3%80%80%E9%AB%98%E5%B1%B1%E6%A4%8D%E7%89%A9%E3%80%80%E6%8B%89%E8%87%B4&hl=ja&source=gbs_navlinks_s 前田曙山『高山植物叢書』- Google eブックス]</ref>
 
===読み===
*「拉」の読みは呉音「ろふ(ロー)」漢音「らふ(ロー)・らつ」であるため、「拉致」は本来「らっち」としか読めず、出版物でもそのようにルビが振られて。「らち」という読みがいつごろから現れたかは不明であるが、1928年の『丙寅 大正茶道記』(高橋義雄、慶文堂書店)など戦前の出版物にもすでに「らち」とルビを振った例が見られる<ref>「臍の緒切つて初めて茶席に入る者なりと自稱する荒大名なるを、何の苦も無く茶席に拉致(らち)し來りたる當主人の腕力には只管驚嘆の外無かつた(p. 361)」([http://books.google.co.jp/books?id=w1tmLgB3BiAC&dq=%22%E3%82%89%E3%81%A1%22%E2%80%9D%E6%8B%89%E8%87%B4%E2%80%9D&hl=ja&source=gbs_navlinks_s 高橋義雄『丙寅 大正茶道記』 - Google eブックス])</ref>。また『放送用語調査委員会決定語彙記録』(日本放送協会、1939年)によれば、当時のラジオ放送ではすでに「らち」・「らっち」が混在しと読まれていた。1960年代から1980年代<ref>[http://www.nhk.or.jp/bunken/summary/research/report/2009_02/090205.pdf NHK放送文化研究所『戦前の放送用語委員会おける“伝統絶対主義”けて雑誌等の出版物では「ち」・「らっち」が混在していたの脱却』]</ref>。近年は「らち」が広く定着している。
==典拠・注釈==
<references/>
 
 
[[en:拉致]]