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#:「今日も其様な意見を述べしむる爲に、井關理事が小生を'''拉致'''せられたことゝ思ひます」(森右作『電気事業研究』1923年)
#:「君は政府筋には餘り持てないやうであるが、その代りに國民には大いに持ててゐる。否少なくも持てる資格を具へてゐる。我が國第一の大新聞社が夙に君を'''拉致'''し去つたのでもわかる」(湯原元一『易水想波』1928年)
#他者の意見を自分のほうに引き寄せること。
#:「是れまで對米外交談判に見ても、始終老中の意見は、直接交渉の任に在つた應接掛の意見に'''拉致'''されたの観があつたのであるが」(横浜市役所『横浜市史稿 政治編二』1931年)
#徴兵。召集捕えて役に就けること。徴
#:「これを奇貨可居となし私服軍人や公安局員が、良民をオドかして軍夫に'''拉致'''するマネをして金錢をせしめた」(一色忠慈郎『支那社會の表裏』1931年)
#捉えること。捕捉。
#:「營業收益税の免税點以下のものを摑へることと營業收益税の賦課をうけない營業を'''拉致'''することを目的としている」(大阪毎日・東京日日新聞社エコノミスト部『租税読本』1937年)
# [[暴力]]や[[脅迫]]で人を[[無理矢理]]連れ去ること。違法な拘引。人身の略取。(※英語の abduction, kidnapping の訳語のごとく用いる)
#:「つづいてそこへどかどかと捕吏や武士など大勢、土足のままはいって来た。否応もない。陳大夫父子は、その場から'''拉致'''(らっち)されて行った」(吉川英治『三国志』「草莽の巻」)
 
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===意味の変遷===
*現在は「人を」「無理矢理に」連れ去ることのみを指す。かつては対象をを問わず、また強制的であるか否かを問わず漠然と「引っぱってくること/引っぱってゆくこと」という意味で使われていた。
*戦前には「羅致」の通用表記のように用いられた例がある(上記。「羅」は鳥を捕える網のこと)。逆に「羅致」は「拉致」のように用いられることがあった。(森鴎外『かのやうに』1912年、『大塩平八郎』1914年)
 
==典拠・注釈==