削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
13行目:
********語誌を書いた青田です。Google books で原文を読んでいただければわかりますが、人名(女性)です。できれば書き変える前に「議論」ページでやりとりしましょう。-->
#:「ホルステンゴール附近に於て外蒙兵不法越境し、作業中の關東軍測量手及び露人一名その他機材を'''拉致'''した。」[https://books.google.co.jp/books?id=ObK10wWEdUYC&hl=ja&source=gbs_navlinks_s (日蘇通信社『蘇聯邦年鑑 日滿支ソ關係の部』1940年)]
#人材を招くこと。招聘。羅致。
#人材を招き集めること。羅致<ref>[http://www.ninjal.ac.jp/event/specialists/project-meeting/files/JCLWorkshop_no4_papers/JCLWorkshop_No4_08.pdf 『太陽コーパス』における漢語表記の多様性 - 国立国語研究所]</ref>。
#:「即ち大に門戸を開いて,眞個政治家の資質ある人士を'''拉致'''するの外に無いのである」(建部遯吾「政党の革新」『太陽』1909年5号)
#集めること。羅致。
#:「今後なほハイスクールの學生を醫學校に'''拉致'''する必要のありとせば」 [http://books.google.co.jp/books/about/%E5%8C%97%E7%B1%B3%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD%E5%8F%8A%E5%8A%A0%E5%A5%88%E5%A4%AA%E3%81%AB%E6%96%BC%E3%81%91%E3%82%8B.html?id=yRFZK1A2TikC (文部省『北米合衆国及加奈太に於ける医学教育』1918年)]
#:「以前は、農民を'''拉致'''せんがために、面白き話を聞かする事に骨を折りしも」 [http://books.google.co.jp/books?id=3X-_VDuMWzoC&dq=%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E3%81%AB%E6%96%BC%E3%81%91%E3%82%8B%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E6%95%99%E8%82%B2&hl=ja&source=gbs_navlinks_s (文部省実業学務局『米国に於ける農業教育』1919年)]
#誰かの言葉を資料として引くこと。引用。
#:「吾人は吾人の記憶を新にせんが爲には、今更に該決議を再び'''拉致'''し來るの必要なるを覺ゆる」[https://books.google.co.jp/books?id=1c2xt9XmjbcC&dq=%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E6%99%82%E5%A0%B1%E3%80%80%E3%80%80%E7%AC%AC%E5%85%AD%E5%B7%BB%E7%AC%AC%E5%8D%81%E4%B8%80%E8%99%9F&hl=ja&source=gbs_navlinks_s (満鐵調査課「治外法權會議の顚末」『調査時報』第六巻第十一號、1926年)]
#連れて来ること。招くこと。引致。招致。
#:「臍の緒切つて初めて茶席に入る者なりと自稱する荒大名なるを、何の苦も無く茶席に'''拉致'''(らち)し來りたる當主人の腕力には只管驚嘆の外無かつた」[http://books.google.co.jp/books?id=w1tmLgB3BiAC&dq=%22%E3%82%89%E3%81%A1%22%E2%80%9D%E6%8B%89%E8%87%B4%E2%80%9D&hl=ja&source=gbs_navlinks_s (高橋義雄『丙寅 大正茶道記』1928年)]
#:「今日も其様な意見を述べしむる爲に、井關理事が小生を'''拉致'''せられたことゝ思ひます」[https://books.google.co.jp/books?id=x4o34p2sZnsC&dq=%E6%A3%AE%E5%8F%B3%E4%BD%9C%E3%80%8E%E9%9B%BB%E6%B0%97%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E7%A0%94%E7%A9%B6&hl=ja&source=gbs_navlinks_s (森右作『電気事業研究』1923年)]
#引き寄せること。
#:「是れまで對米外交談判に見ても、始終老中の意見は、直接交渉の任に在つた應接掛の意見に'''拉致'''されたの観があつたのであるが」[https://books.google.co.jp/books?id=fNWOlRz0_EwC&dq=%E6%8B%89%E8%87%B4%E3%80%80%E6%A8%AA%E6%B5%9C%E5%B8%82%E5%8F%B2%E7%A8%BF%E3%80%80%E6%94%BF%E6%B2%BB%E7%B7%A8%E4%BA%8C&hl=ja&source=gbs_navlinks_s (横浜市役所『横浜市史稿 政治編二』1931年)]
33 ⟶ 34行目:
;らっ↘ち ら↘ち
===={{rel}}====
*{{syn}}:(語義8)9)[[略取]], [[誘拐]], [[ひとさらい]]
===={{trans}}====
*{{eng}}:(語義8)9)[[abduction]], [[kidnapping]]
==={{verb}}===
{{inf-ja||サ|変|拉致|する}}
52 ⟶ 53行目:
*「拉」の読みはは呉音「ろふ(ロー)」漢音「らふ(ロー)」、「らふ」が促音化した際は「らつ(ラッ)」である<ref>p[[入声]]のフツ相通。同様の読みとして他に「合致」(がふ→がつ)、「雑誌」(ざふ→ざつ)など。</ref>。したがって、「拉致」は本来「らち」とは読めない。
<!--
*「拉」をラと読む語としては他に「拉丁(ラテン)」などがある。これは漢土で Latin を音訳した語を、日本での Latin の音訳「ラテン」と読ませているのであって、厳密に言えば「拉の字をラと読んでいる」わけではない。しかし拉という字に元々なじみの薄い日本にこのような漢語の用字が伝わった結果として「拉の日本漢字音はラである」という誤った認識が広まった可能性がある。
-->
*1927年の幸田露伴「暴風裏花」(『竜姿蛇姿』所収)では「拉致」に「らふち」というルビが付されている。しかし1943年の『史傳小説集』では「らち」に改められている。
59 ⟶ 60行目:
===意味の変遷===
*現在は「人を、無理矢理にかつ非合法に」連れ去ることのみを指す。かつては対象をを問わず、また強制的であるか否かを問わず「引っぱってくること/引っぱってゆくこと」という意味で使われていた。
*戦前には「羅致」の通用表記のように用いられた例がある(上記)。逆に「羅致」は「拉致」のように用いられることがあった。(森鴎外『かのやうに』1912年、『大塩平八郎』1914年)
 
==典拠・注釈==