「いわれ」の版間の差分

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例文に示すように必ずしも使い分けによる否定辞との親和性の高い言辞ではない。
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[[category:{{ja}}_{{noun}}]]
'''いわれ'''【[[言]]われ・[[謂]]れ】(歴史的仮名遣い:いはれ)
# ([[そう#{{adverb}}|そう]][[いう#{{verb}}|言わ]][[れる]]、または される[[だけ]][[の]])[[まっとう|真っ当]]な[[わけあい|訳合い]](・<ruby><rb>訳</rb><rp>《</rp><rt>わけ</rt><rp>》</rp></ruby>・<ruby><rb>事訳</rb><rp>《</rp><rt>ことわけ</rt><rp>》</rp></ruby>・<ruby><rb>事割</rb><rp>《</rp><rt>ことわ</rt><rp>》</rp></ruby>り・[[すじあい|筋合い]]・[[理由]])。([[この]][[ばあい|場合]]は[[もっぱら|専ら]]、そう されるだけの真っ当な訳合い[[が]]「'''[[ない|無い]]'''」場合に、「言われが無い」・「言われ[[は]]無い」・「言われ[[の]]無い」[[など]]の[[形]]で[[もちい|用い]]られることが多く、そう されるだけの真っ当な訳合いが[[有る]][[と]][[いう]][[むね|旨]][[を]][[明らか]][[に]][[する|し]][[よう]]とし[[て]]「それには言われが有る」と[[いう|言っ]][[たり]]、そう言われるだけの <ruby><rb>訳</rb><rp>《</rp><rt>わけ</rt><rp>》</rp></ruby>というものを説き明かそ[[う]]として「その言われは……」と言ったりすることは[[できる|出来]][[ない]])。
#:詩の講座のために詩について書いてくれというかねての依頼でしたが、今詩について一行も書けないような心的状態にあるので書かずに居たところ、編集子の一人が膝づめ談判に来られていささか閉口、なおも固辞したものの、結局その書けないという'''いわれ'''を書くようにといわれてやむなく筆をとります。([[w:高村光太郎|高村光太郎]] 『詩について語らず ――編集子への手紙――』)
#:'''言われ'''の無い[[うわさ|ウワサ]]が[[ひろまる|広まっ]]て[[こまる|困っ]]て[[いる]]。
#:あなたもよくご存じのように、ほとんど一年じゅう店の外にいる[[たびまわり|旅廻り]]の[[セールスマン]]は、[[かげぐち|かげ口]]や[[偶然]]や'''いわれ'''のない[[苦情]]の[[犠牲]]になりやすく、そうしたものを防ぐことはまったくできないんです。([[w:フランツ・カフカ|フランツ・カフカ]] [[w:原田義人|原田義人]]訳 『[[w:変身|変身]]』)
#:[[したがう|したがっ]]て、そういった [[そしり]]を[[うける|受ける]]'''言われ'''は[[まったく|全く]]無い[[の]]である。
# (話のタネに なりうる たぐいの、物事の)起こりや いきさつ(についての言い伝え)。[[由来]]。[[由緒]]。[[故事]][[来歴]]。(こちらの場合は
#*専ら、その物事に話のタネに なりうる たぐいの何らかの起こりや いきさつが「'''有る'''」場合に用いられることが多く、新しく出来た ばかりの寺を「言われ(由緒)の無い寺」などと言うことは出来ない
#:[[いろり|囲炉裏]]に{{ふりがな|榾|ほた}}をさしくべ、[[いわな|岩魚]]の串刺にしたやつを{{送り仮名2|炙|あぶ|り|あぶる}}ながら、山林吏が、さっき捨てた土饅頭は何だね、と案内の[[猟師]]に訊ねる、[[旦那]]、ありゃ飛騨の御大名の{{ruby|墳|[[はか]]}}で、と右の{{ruby|一伍一什|ふしぶし}}を[[うろおぼえ|うろ覚え]]のままに話す、役人は、そんな{{ruby|[[由緒]]|'''いわれ'''}}のあるものと知ったら、何とか{{ruby|[[方法]]|やりかた}}もあったものをと口惜しそうな顔をした。([[w:小島烏水|小島烏水]]『梓川の上流』)
#:この茶碗はさぞかし'''言われ'''の有るものに違い無い。
 
===={{etym}}====
* ワ行四段活用の動詞である「[[いう|言ふ]]」の未然形である「言は」に、受け身の助動詞の連用形の「[[れ]]」が付いたものの名詞化。「言われる(に[[あたい|値]]するだけの)[[こと|事]]」の意。