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#ヒノキ科(スギ科)の[[針葉樹]]。普通は日本固有種の ''Cryptomeria japonica'' を指す。まっすぐに成長する高木で、加工しやすく、用材として有用であるため、山地に植林される。(「杉の花」や「杉の花粉」は[[晩春]]([[清明]]〔[[4月5日]]ごろ〕から[[立夏]]の前の日〔[[5月5日]]ごろ〕まで)の<ref>[http://kigosai.sub.jp/kigo500d/011.html 季語・杉の花 - 季語と歳時記(NPO法人季語と歳時記の会)]. 2016年2月29日閲覧</ref>、「杉落ち葉」が[[初夏]]([[立夏]]〔[[5月6日]]ごろ〕から<ruby><rb>芒種</rb><rp>《</rp><rt>ぼうしゅ</rt><rp>》</rp></ruby>の前の日〔[[6月5日]]〕ごろ)の<ref>[http://kigosai.sub.jp/kigo500f/233.html 季語・杉落ち葉 - 季語と歳時記(NPO法人季語と歳時記の会)]. 2016年2月29日閲覧</ref>、そして「杉の実」が[[晩秋]]([[寒露]]〔[[10月8日]]ごろ〕から[[立冬]]の前の日〔[[11月7日]]ごろ〕)の、それぞれ[[季語]]とされている<ref>[http://kigosai.sub.jp/kigo500e/468.html 季語・杉の実 - 季語と歳時記(NPO法人季語と歳時記の会)]. 2016年2月29日閲覧</ref>)。
#[[家紋]]の一つ。語義2を図案化したもの。
 
===={{pron|ja}}====
;ス↗ギ<sup>→</sup>(sugi)
 
===={{etym}}====
「'''ス'''クスクと 生える(育つ・立つ) '''木'''」からという。京都地名研究会事務局長の綱本逸雄によると、近世・江戸時代終わりの国学者である谷川士清(ことすが)が著した『和訓栞(わくんのしおり)』(1777年~1887年刊行)には言わく、「直(スク)に生ふるもの(注、直ぐ成長する)故に名とするよし」うんぬんとあり、寺島良安の『和漢三才図会』(1712年成立)にも言わく、「杉すぎ、サン 和名須木と言う、心は直(スク)経る(注、すぐ時が経つ=成長早い)の木也」うんぬんと、丸山林平の『上代語辞典』(明治書院、1967年刊行)にも言わく、「すくすくと立つ木の義」うんぬんとあるという。ほかに『大言海』(1932年~1935年刊行)にも言わく、「すぎ(杉榲) すくすくト生フル木、又、すくすくト立つ木ノ義、スギの木ト云フガ、成語ナ(ル)ベシ」うんぬんとあり、日本最大の国語辞典である『日本国語大辞典』(小学館)も「スクスク生える木の義。スギノ木が成語か」との旨を語源説の筆頭として挙げている。
 
ほかにも、幹が真っ直ぐ伸びることや 木の目が真っ直ぐなことなどから「'''す'''ぐ(直)な'''木'''」とする説も少なくない。だが綱本逸雄は、「スギ」という言端(ことば)は、「須木、須疑、須岐」などの漢字表記で、いにしえ(古代)に書かれた古事記(ふることぶみ)や日本書紀・万葉集(奈良の古言〔ふること〕)・風土記・木簡・古辞書あるいは平安文学などに既に登場しているにも係(かか)わらず、「中古(平安時代)までスグの訓よみはなく中世以降である。古辞書『類聚名義抄』(観智院本)には、当然ながら『直』の訓みにスグはなく、『タタチニ』である。『万葉集』も『直』は頻出するが、『直(ただ)に逢はば』(二二五)とか、『あたへ』『じき』『まな』などで、『スグ』の訓みはない(正宗敦夫編『萬葉集総索引漢字篇』平凡社)」などと挙げつらっている。江戸時代中期の国学の大成者である本居宣長も『古事記伝』において言わく、「須疑(すぎ)は、直木(スグキ)するはわろし、直(ナホ)をすぐと云こと古にあらず」とし、『増補俚言集覧』(早くとも1797年よりあと、遅くとも1829年より前に成立)も言わく、「直木とするはわろし直(ナホ)のスグと云ことすへ(末)にあらすと云へり」うんぬんと、江戸時代中期の国学者である鹿持雅澄も『万葉集古義品物解』において言わく、「直木(すぐき)の意とする説はあたらず」うんぬんと説いているという。