日本語 編集

形容詞 編集

あわい淡い

  1. 色彩や味が明瞭でない、ぼんやりとした、微妙な。
    • ひどく寸のつまつてゐる大棟も、この夜は気にならず、むしろその両端の鴟尾の、ほのかに、実にほのかに、淡い金色を放つてゐるのが、拝みたいほど有難く感じられた。(和辻哲郎 『月夜の東大寺南大門』)
    • 東京人の舌は、そう言ってはわるいが、すこぶる杜撰なものである。落着いた味、静かな味、淡い味を知るには、あまりにも荒っぽすぎる。(北大路魯山人 『昆布とろ 』)
  2. 心情などがはっきりしない、確実でない。
    • 奇怪な事件が重なり合っているような場合であっても見ている時は成程、其れによって、いろいろなことを想像したりまた感興を惹かれたりしても、一たび外に出て冷やかな空気に触れれば、つい、今しがた見たことが夢のように、もっと其れよりは淡い印象しか頭に残らないのであります。(小川未明 『芸術は生動す』)
    • 私は変った世界に飛びこまされることを拒否出来なかった。或いは其処に何か見出すかも知れないという淡い期待があったわけなのだ。(久坂葉子 『灰色の記憶』)

活用 編集

対義語 編集

語義1

対義語 編集

語義1

翻訳 編集

名詞 編集

あわい

  1. あいだ隙間間隙
    • 間近に迫った人家の屋根や雨に打れ風に曝された羽目を見、自分の立って居る型ばかりの縁先に眼を移し、そのあわい 、僅か十坪に足りない地面に、延び上るようにして生えて居る数本の樹木を見守った時、私は云いようのない窮屈さを感じた。(宮本百合子 『餌』)
    • 迫った落日の赤々とした陽光に照りはえて、伽藍を囲む築地塀は、尼僧の清さそのものを物語るかのごとくに白々と連なり、しかも、伽藍のあわいあわいにおい茂る春の木、初夏の木、常盤木は、まこと文字どおりの青葉ざかりでした。(佐々木味津三『右門捕物帖 京人形大尽』)
  2. (古)関係間柄
  3. (古)調和