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発音 編集

名詞 編集

うつわ 歴史的仮名遣い:うつは

  1. 物を入れるためのもの、いれもの容器
    • 本当に花が分ればこれをどんなものに生けるか、花を盛る器についても、相当の見識が出て来るのは当然のことであるが、あたら花をけがすような器が使われたり、さらにはなはだしきは花を眺めるのか、器を眺めるのか、どっちか分らないような、花をそっちのけにした器を平気で用いていたりする。(北大路魯山人 『伝不習乎』)
  2. 器具の総称、器物什器
    • 洋学者の輩も人に悪(にく)まれ人に忌(い)まるるその中に、時勢やむをえざるよりして、俗世界のために器(うつわ)として用いらるるの場合となり、余が如きも、すなわちその器の一人にして、幕府に雇われ横文書翰翻訳の仕事を得たり。(福沢諭吉 『成学即身実業の説、学生諸氏に告ぐ』)
    • コクリが狐狗狸と書くは当字で、右に左に傾くからコクリと呼ぶと云う者があり、又米国がえりの益田某が、天理を告ぐであると云って『告理』の文字を用いたので、それがコクリの名の起源となったと云う者もある。(田中貢太郎 『狐狗狸の話』)
  3. 事を担任するに堪える才能器量度量包容力。そのようなものを持った人。
    • さて人のの大きい小さいと云ふことを見るのはどう云ふ所で見るだらう。例之ば津和野にをつた者が東京に出て來る。或は内地にをつた者が洋行すると云ふ場合に、隨分人の大きい小さいが見えるやうに思ひます。(森林太郎 『混沌』)
    • 「何しろ項羽と云う男は、英雄のじゃないですな。」(芥川龍之介 『英雄の器』)

語源 編集

翻訳 編集