古典日本語「かなふ」
かなう
- 【叶う】(願望などが)実現する。
- この針は、不思議な、どんな願いごともかなう針だから、これをおまえさんにお礼としてあげる。(小川未明 『一本の銀の針』)
- 【適う】適合する、あてはまる。
- 【敵う】(一般に否定辞または反語表現とともに)匹敵する。勝てる。
- (一般に否定辞とともに)~をすることができる。
- 本堂の屋根も杜のかげになって見ることはかなわなかったが、しかし彼は馬籠の村社諏訪分社のみすぼらしさに思い比べて、山腹に墳墓の地を抱くあの古い寺が長い間の村の中心の一つであったことを容易に想像することはできた。(島崎藤村 『夜明け前』)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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否定 |
かなわない |
未然形 + ない
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意志・勧誘 |
かなおう |
未然形音便 + う
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丁寧 |
かないます |
連用形 + ます
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過去・完了・状態 |
かなった |
連用形音便 + た
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言い切り |
かなう |
終止形のみ
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名詞化 |
かなうこと |
連体形 + こと
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仮定条件 |
かなえば |
仮定形 + ば
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命令 |
かなえ |
命令形のみ
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