日本語 編集

発音 編集

X-SAMPA/sasa_Hja_HkM(_0)/

動詞 編集

ささやくく・く】

  1. 第三者に聞かれないように、小さな声で話す。
    • しかし、風が自分の耳元にそのやうにひそひそ囁き、さうして、いつのまにやら自分の胸中に於いても、その変てこな歌ともお念仏ともつかぬ文句が一歩一歩竹藪の下の雪を蹈みわけて行くのと同時に湧いて出て、耳元の風の囁きと合致する、といふやうな工合ひなのである。(太宰治 『お伽草紙』)
    • 水蒸気を含んだ風が吹いて来ると、麦の穂と穂が擦れ合って、私語ささやくような音をさせる。(島崎藤村 『千曲川のスケッチ』)
  2. 当事者に直接耳に入らないよう、周囲のものが話題にする。(多くは受動態で)をする。
    • 皇太后は人生を恨んでおいでになった。何かの場合に源氏はこの方にも好意のある計らいをして敬意を表していた。太后としてはおつらいことであろうとささやく者が多かった。(紫式部 與謝野晶子訳 『源氏物語 澪標』)
    • 噂はそれからそれへと伝えられて、津の国屋には死霊の祟りがあるということが、単に湯屋髪結床の噂話ばかりでなく、堅気商人の店先でもまじめにささやかれるようになって来た。(岡本綺堂半七捕物帳 津の国屋』)
  3. (音声学) 母音を無声化して話す。

活用 編集

関連語 編集

翻訳 編集