相圖 および 相图 も参照。

日本語 編集

名詞 編集

  1. (そうず) (物理学) 温度圧力組成などに対して物質が何になるかを示した。普通は平衡状態での相を示す。状態図に同じ。
    • 2008年、野村竜司ほか「エアロジェル中でのヘリウム結晶化過程の可視化」[1]
      多孔質中では物質の相図が変化し、例えば水が0°Cでも凍らないなどの現象が起こる。このような共存条件の変化という静的な現象は比較的良く調べられているが、結晶が多孔質中でどのように成長するかなどの非平衡動力学は良く分かっていない。
    • 2021年、中本有紀ほか「アルカリ土類金属元素ストロンチウムの高圧・低温下における結晶構造と超伝導」[2]
      ストロンチウムについて 8 K、70 GPa までの温度-圧力領域について粉末 X 線回折測定を行った。得られた温度-圧力相図を図1に示す。室温では既知の 4 つの逐次構造相転移を確認した。
  2. (あいず)「合図」に同じ
    • 1915年、森鴎外「山椒大夫」[3]
      大夫は右の手を挙げて、大拇を折って見せた。そして自分もそこへ舟を舫った。大拇だけ折ったのは、四人あるという相図あいずである。
    • 1933年、豊島与志雄「愉快な話」[4]
      脱走計画の万事は、外部の同士チャイコフスキー団によって立案された。「中は大丈夫だ。」というクロポトキンの相図に対して、赤い玩具の風船をあげて「外は大丈夫だ。」という相図をする、そういう約束だった。

翻訳 編集

語義1

編集

  1. 野村 竜司, 奥田 雄一, エアロジェル中でのヘリウム結晶化過程の可視化, ホソカワ粉体工学振興財団年報, 2008, 16 巻, p. 58-62, 公開日 2019/06/25, Online ISSN 2189-4663, https://doi.org/10.14356/hptf.06114 CC BY 2.1JPで公開
  2. 中本 有紀, 坂田 雅文, 清水 克哉, 平尾 直久, アルカリ土類金属元素ストロンチウムの高圧・低温下における結晶構造と超伝導, SPring-8/SACLA利用研究成果集, 2021, 9 巻, 1 号, p. 5-7, 公開日 2021/01/28, Online ISSN 2187-6886, https://doi.org/10.18957/rr.9.1.5 CC BY 4.0で公開
  3. 青空文庫、1998年7月21日公開、2006年5月16日修正(底本:「日本の文学 3 森鴎外(二)」中央公論社、1972(昭和47)年10月20日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/000129/files/689_23257.html
  4. 青空文庫、2006年4月23日作成(底本:「豊島与志雄著作集 第六巻(随筆・評論・他)」未来社、1967(昭和42)年11月10日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000906/files/42515_22731.html