犬も歩けば棒に当たる
- (原義)犬がふらふら出歩くと、棒で殴られるような災難に遭ったりする。じっとしていれば良いのに、余計な行動を起こすべきでないとの戒め。
- (俗用)行動を起こすと、幸運なことでも、災難なことでも、何らかの経験をすることができる。じっとしていると、そのようなことはできないので、積極的に行動すべきである。
- 「いずくへ? とは、はて知れたこと。隠密に出るのだ。あんまり、柄に適った役割りでもねえがの。」「というと、いずれかの方面に、何かお心当りでもおありなので――。」「ねえんだよ、そんなものあ。」いいながら、狂太郎は、馬鹿ばかしく長い刀を、こじり探りに落とし差して、「だが、犬も歩けば棒に当たる。あばよ。」(林不忘 『口笛を吹く武士』)
- 上方いろはがるた:
- 一寸先は闇
- いやいや三杯
- 幸田露伴『東西伊呂波短歌評釈』
- 東のは、事を為すものは思はぬ災を受くることありといふ意、又は其の反対に、才無き者も能く勤むれば幸を得ること有りといふの意にして、西のは、其の語の用ゐらるゝ場合不明なれども、既に人の客たれば、いやいやながらも三盃を斟むべし、といふ意か、いやいや三盃又三杯とつゞけてもいふことあれば、薄々はくいやいやの酒を酌むに、いやいやながらも杯を重ぬれば、其の中にはおのづから酔ひて之を楽むに至るといふことを云へるか、或は又虚礼謙譲の陋きを笑へる意の諺なるべし。
- 尾張いろはがるた:一を聞いて十を知る