砲雷
日本語 編集
名詞 編集
- 砲撃の音が雷のように轟くさま。その音。
- げに甲冑剱戟の戰争は消滅せり、史的小説の材料となり了んぬ。思ふに、硝煙彈雨、砲雷剱電の戰争も、或は消滅する時あらんか。(坪内逍遥『文学その折々』706ページ「戦争と文学」)〔1896年〕
- 延て萬國兵を動かし。砲雷轟き。弾雨注ぎて。天關地軸を振撼せしにあらずや。(若生国栄『活禅談 : 通俗平易』200ページ)〔1900年〕
- 暫く旗鼓の堂堂、輿馬の彭彭、劍佩の鏘鏘、砲雷の轟轟、凡そ近時の戰爭の外形を以てする戰爭の觀念を遠ざけて、戰爭の尤も初等なる、動物界に於ける發現に察せば、殆と戰爭は生物界に必然の現象たりとの論結を為すの誘惑を感ずべし (建部遯吾『戦争論』69ページ)〔1906年〕
- 而して諸手激戰方に酣に、砲雷地に轟き、人馬蹂躙す。(馬屋原二郎『元治甲子禁門事変実歴談』7ページ)〔1913年〕
- 此の如く砲雷の戰は變じて筆舌の爭となれり (日高謹爾『ジュトランド海戦の研究』214ページ)〔1927年〕
- (軍事) 砲と魚雷、砲撃と雷撃を指す略語。
- しかしてそのここに至る為には、日本の海軍をもって艦船砲雷等の形而下力においても、乗員の技能士気の形而上力においても遥かに米国海軍に優っているという著者の大いなるドグマが基調をなしているのである。(水野広徳『書評「米国怖るゝに足らず」』)〔1929年〕[1]
- (...)之が狂瀾怒濤の間に處して、泰然として艨艟を駆使し、硝煙弾雨の下に立つて、悠然として、砲雷を運用するの人間とは迚も思はれなかつた。(水野広徳『戦影』268ページ)〔1930年〕
- たとえば砲雷関係、これは砲を撃ち魚雷を放つ、つまり戦闘の正面に立つ人々でございますが、これらの人々の曹、士の充足率はどうなっていますか。(永末英一、衆議院会議録情報 第071回国会 内閣委員会 第31号)〔1973年〕