禁じる
日本語
編集動詞
編集禁じる (きんじる)
- (他動詞) 禁止する。
- (他動詞) (「禁じ得ない」などの形で)何かの気持ちや思い、またはそれらから起こる行動をおしとどめる。
- 1911年、谷崎潤一郎「秘密」[4]
- 私は毎夜俥に揺す振られながら、此処か彼処かと心の中に憶測を廻らす事を禁じ得なかった。
- 1925年、豊島与志雄「香奠」[5]
- 「そうでしょう。私もそんな風にゆきたいんです。」思いつめたようなその言葉の調子に、私は快い微笑を禁じ得ませんでした。
- 1936年、海野十三「深夜の市長」[6]
- 昨夜お照の話では、隣りは畳を剥いであったというのに、昨夜遅く越して来た隣家の女は、夜逃げをしてきたにしろ、一体何の上に睡ったことであろうか。僕はまだ見ないけれど、その女の身の上に、いたく同情を禁じ得なかった。
- 1955年、新村出「『広辞苑』後記」[7]
- 更に、我洋画壇の巨擘安井曽太郎画伯が親しく装幀の労を執られ、巧みに『広辞苑』の書格を表現せられたことに対し、編者として深い感銘を禁じ難い。
- 1911年、谷崎潤一郎「秘密」[4]
活用
編集註
編集- ↑ 青空文庫(2010年10月28日作成)(底本:「平林初之輔探偵小説選Ⅱ〔論創ミステリ叢書2〕」論創社、2003(平成15)年11月10日初版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000221/files/48004_41347.html
- ↑ 青空文庫(2003年9月14日作成)(底本:「宮本百合子全集 第十六巻」新日本出版社、1986(昭和61)年3月20日第4刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/3498_12404.html
- ↑ 青空文庫(2020年2月21日作成)(底本:「「あまカラ」抄1」冨山房百科文庫、冨山房、1995(平成7)年11月13日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/002093/files/59879_70455.html
- ↑ 青空文庫(2016年9月9日作成、2021年10月5日修正)(底本:「刺青・秘密」新潮文庫、新潮社、2014(平成26)年6月5日87刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001383/files/57349_60032.html
- ↑ 青空文庫(2007年11月27日作成)(底本:「豊島与志雄著作集 第二巻(小説2」未来社、1965(昭和40)年12月15日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000906/files/42433_28809.html
- ↑ 青空文庫(2010年10月10日作成)(底本:「海野十三全集 第3巻 深夜の市長」三一書房、1988(昭和63)年6月30日第1版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000160/files/1219_41193.html
- ↑ 青空文庫(2018年7月27日作成)(底本:「新村出全集第九巻」筑摩書房、1972(昭和47)年11月30日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001938/files/58498_65481.html