終 始(しゅうし)
- ずっと。
- それにもかかわらず、昭和四年五月から十一月まで凡そ七ヵ月に亙る一家の欧州旅行にあたって、終始その旅日記を書きとおしたのは、ほかならぬ目の不自由な母であった。(宮本百合子『葭の影にそえて』)
- 始めから終わりまで一貫する。
- 勿論、日本作家としては個人的にめいめいの好みがあるだらうけれど、結局、その「好み」に終始しないで、流行を追つて甲より乙に転じて来た傾がある。(岸田國士『過渡時代』)
- ずっと、〜する。
- その会議は、くだらないおしゃべりに終始した。
- 伝説の英雄たちが戦争したり、聖者が伝道したりした昔の若々しい時代を過ぎて、アイルランドは長いあひだ何の香ばしい事もなく、圧迫の政治下に終始して来たびんぼふな国である。(片山廣子『過去となつたアイルランド文学』)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 | 終始しない | 未然形 + ない |
否定(古風) | 終始せず | 未然形 + ず |
自発・受身 可能・尊敬 | 終始される | 未然形 + れる |
丁寧 | 終始します | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | 終始した | 連用形 + た |
言い切り | 終始する | 終止形のみ |
名詞化 | 終始すること | 連体形 + こと |
仮定条件 | 終始すれば | 仮定形 + ば |
命令 | 終始しろ 終始せよ | 命令形のみ |
終 始(zhōngshǐ 簡体字:终始)
- 初めと終わり。