給する (きゅうする)
- (他動詞, 文章語) 提供する。支給する。
- 1916年、森鴎外「渋江抽斎」[1]
- 津軽家では留守居の年俸を三百石とし、別に一カ月の交際費十八両を給した。比良野は百石取ゆえ、これに二百石を補足せられたのである。
- 1941年、坂口安吾「古都」[2]
- 碁席は同時に関さんの寝室ともなり、給金はないけれども、食事を給する。関さんはその奥さんが林長二郎の家政婦で、乏しい月給をさいて衣食住を仕給されてゐるのだから、丁度よい。
- 1952年、相馬愛蔵「私の小売商道」[3]
- 毎年春秋二回、古参者から始めて順々に、同行二人を一組とし、十日の休暇と旅費を給して、九州あるいは北海道と、出来るだけ遠くまで足をのばさせるようにしている。
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 |
給しない |
未然形 + ない |
否定 |
給せず |
未然形 + ず |
自発・受身 可能・尊敬 |
給される |
未然形 + れる |
丁寧 |
給します |
連用形 + ます |
過去・完了・状態 |
給した |
連用形 + た |
言い切り |
給する |
終止形のみ |
名詞化 |
給すること |
連体形 + こと |
仮定条件 |
給すれば |
仮定形 + ば |
命令 |
給せよ 給しろ |
命令形のみ |