臆する (おくする)
- (自動詞) 気弱になってためらう。おじけづく。
- 1917年、宮本百合子「日は輝けり」[1]
- 人溜りのうちを彼は捜した。が、見えない。見つからない。人に聞こうにも何となし気が臆した。
- 1934年、小栗虫太郎「黒死館殺人事件」[2]
- 「もし特に、クリヴォフ夫人の死を希っているような人物があるのなら」「たとえば私がそうですわ」伸子が臆する色もなく言下に答えた。
- 1945年、山本周五郎「日本婦道記」[3]
- 起ち居もきちんとしていた、みなしごという陰影など少しもないし、云いたいこと為たいことは臆せずにやる、爽やかなほど明るいまっすぐな性質に恵まれていた。
各活用形の基礎的な結合例
意味 | 語形 | 結合 |
否定 |
臆しない |
未然形 + ない |
否定 |
臆せず |
未然形 + ず |
自発・受身 可能・尊敬 |
臆される |
未然形 + れる |
丁寧 |
臆します |
連用形 + ます |
過去・完了・状態 |
臆した |
連用形 + た |
言い切り |
臆する |
終止形のみ |
名詞化 |
臆すること |
連体形 + こと |
仮定条件 |
臆すれば |
仮定形 + ば |
命令 |
臆せよ 臆しろ |
命令形のみ |