題する
日本語
編集動詞
編集題する (だいする)
- (自動詞) (「~と題する」の形で、作品が)~という題名・表題である。~という題名を有する。
- (自動詞) (「~と題する」の形で、誰かが作品に)~という題名・表題を付ける。~と名付ける。
- (他動詞, 古用法) 題言・題辞を作品に記す。序文・前文を書物に記す。
- 1896年、井上円了「妖怪学講義 再版につきて一言を題す」[5]
- 再版は購読者の便をはかり、各部門につきてこれを合綴し、目録および付録を増加し、八大部門を合して六大冊となす。[中略]左に初版『妖怪学講義緒言』に題せし序文を掲ぐ。
- 1922年、寺田寅彦「亮の追憶」[6]
- そのほかの知友の中でも、中学時代からの交遊の跡を追懐した熱情のこもった弔詞を寄せられた人や、また亮が読むべくしてついに読む事のできなかった倉田氏の著書の巻頭に懇篤な追悼文を題して遺族に贈られた人もあった。
- 1949年、木村荘八「岸田劉生の日本画」[7]
- 故人もこれは破顔してゐたエピソードであるが、岸田は殆んど例外なくその作品の上に文字を題して、少々怪しい漢文なども誌し入れる好みがあつた。
- 1896年、井上円了「妖怪学講義 再版につきて一言を題す」[5]
活用
編集サ行変格活用 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 仮定形 | 命令形 |
題 | し せ さ |
し | する | する | すれ | せよ しろ |
意味 | 語形 | 結合 |
---|---|---|
否定 | 題しない | 未然形 + ない |
否定 | 題せず | 未然形 + ず |
自発・受身 可能・尊敬 |
題される | 未然形 + れる |
丁寧 | 題します | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | 題した | 連用形 + た |
言い切り | 題する | 終止形のみ |
名詞化 | 題すること | 連体形 + こと |
仮定条件 | 題すれば | 仮定形 + ば |
命令 | 題せよ 題しろ |
命令形のみ |
註
編集- ↑ 青空文庫(2007年11月20日作成、2016年5月12日修正、底本:「岸田國士全集21」岩波書店、1990(平成2)年7月9日発行)https://www.aozora.gr.jp/cards/001154/files/44572_28664.html
- ↑ 青空文庫(2018年10月24日作成、底本:「新アラビヤ夜話」岩波文庫、岩波書店、2009(平成21)年2月19日第11刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000888/files/51164_66323.html
- ↑ 青空文庫(2011年3月9日作成、底本:「堀辰雄作品集第四卷」筑摩書房、1982(昭和57)年8月30日初版第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001030/files/47953_42522.html
- ↑ 青空文庫(2008年5月21日作成、底本:「現代日本思想大系 24 哲学思想」筑摩書房、1975(昭和50)年5月30日初版第9刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000420/files/47844_31646.html
- ↑ 青空文庫(2021年5月27日作成、底本:「井上円了 妖怪学全集 第1巻」柏書房、1999(平成11)年3月31日第1刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001021/files/50125_73453.html
- ↑ 青空文庫(2003年6月25日作成、底本:「寺田寅彦随筆集 第二巻」小宮豊隆編、岩波文庫、岩波書店、1997(平成9)年5月6日第70刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/2447_11114.html
- ↑ 青空文庫(2009年1月6日作成、底本:「東京の風俗」冨山房百科文庫、冨山房、1989(平成元)年8月12日第2刷)https://www.aozora.gr.jp/cards/001312/files/47596_34104.html