鬱
漢字
編集鬱
字源
編集- 甲骨文字・金文は「林」+「勹」(かがんだ人)+「大」(立った人)、人が生い茂った草木の中に隠れる様子を象る。「茂る」を意味する漢語{鬱 /*ʔut/}を表す字。「爵」の略体を加えて「鬱」となる。[字源 1]
- ↑ 于省吾 「釈(⿱林勹)」 『甲骨文字釈林』 中華書局、1979年、328-330頁。
呉振武 「説“苞”“鬱”」 『中原文物』1990年第3期 第32—36頁。
張世超、孫凌安、金国泰、馬如森 『金文形義通解』 中文出版社、1996年、1286-1289頁。
季旭昇撰 『説文新証』 芸文印書館、2014年、433-434頁。
王子楊 「甲骨文“鬱”的用法」 『文史』2016年第3輯 43-56頁。
意義
編集日本語
編集発音
編集名詞
編集熟語
編集手書きの字形について
編集「鬱」を手書きで書く際は専ら「欝」の形で書いていた[1]。これは戦前の文部省活字の表[2]や拓本文字データベースから見ても明らかである。1979年に作られたJIS第1水準漢字に入っているのも29画の「鬱」ではなく25画の「欝」である。
ところが、2010年の常用漢字改定で収録する際に25画の「欝」を異体字扱いとしたため[3]、特に学校の試験において「欝」の形が認められなくなってしまった。なお、1942年に制定された標準漢字に収録されていた字形は29画の「鬱」だが、当時は前述の通り、手書きの際は25画の「欝」で教えていたため、そのような混乱は起きていない。
(以下は「鬱」における注意点)
古典日本語
編集中国語
編集朝鮮語
編集ベトナム語
編集コード等
編集脚注
編集- ↑ 『解説 字体辞典』p.626 江守賢治 三省堂 1986年
- ↑ 『解説 字体辞典』巻末。 江守賢治 三省堂 1986年
- ↑ 『常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)』p.72 2016年2月29日 文化庁
- 1 2 『常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)』 2016年2月29日 文化庁