日本語

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名詞

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   鸚鵡・返し おうむがえし)

  1. 和歌の語。人の言いかけた歌の語を、いささか変えて返歌すること。鸚鵡が人の言葉をまねることに例えていう。
    •  あしびきの山の雫に、妹待つと、われ立ち濡れぬ。山の雫に(大津皇子――万葉巻二)
    •  我を待つと 君が濡れけむ あしびきの山の雫にならましものを(石川郎女――万葉巻二)
    • 此唱和は、鸚鵡返しの無技巧と、別方法で、同じ効果を収めてゐる。(折口信夫 『女房文学から隠者文学へ 後期王朝文学史』)
  2. 他人からの問いかけに、応えないまま、問いかけ返すこと。
    • 叔母が茶の間にぼんやり坐っていました。私はその顔を見て喫驚しました。
    • 「どうなすったんです!」
    • 「どうって……あなたこそ。」と叔母は鸚鵡返しに云いました。(豊島与志雄 『影』)
  3. 酒席の語。人の注いだ杯を、少し飲んで直ぐに返すこと。