Wiktionary・トーク:項目名の付け方/mas
本サイトに唯一投稿されていたマサイ語項目の正確性に疑問が生じた為に、急遽日本語資料(杜由木『夜には、夜のけものがあるき 昼には昼のできごとがゆく』東京図書出版、2015年)に記載されていたenkolong'に差し替えたという経緯がございますが、ここで今後マサイ語を掲載する上での形式について提案がございます。
少し調べて参りましたが、まずマサイ語には統一された正書法がないという事が判明しました。しかしながら、語について典拠となり得るものは何点か見られ、当該言語についての情報も揃いつつあります。マサイ語の動詞や名詞の多くは[接頭辞-語根 (wp)]の構造を取り、接頭辞には男性や女性を表すものが存在します。enkolong'を例としますと、enk-の部分が文法的な女性を表す接頭辞で、残りのolong'の部分が語根となります。
さて、これまでにマサイ語の辞書が世に出された事はないのでしょうか。実を申し上げますとFrans Molという方が1978年にMaa: a dictionary of the Maasai language and folklore English-Maasai、1996年にMaasai Language & Culture: Dictionaryをそれぞれ出しているのですが、残念な事にいずれにもアクセスできておりません(なお、前者については日本国内のいくつかの大学図書館等に所蔵されている模様です[1])。その代わり、オレゴン大学のPayne教授らによるオンライン辞書が存在します。それにおいては、
というような形式で表示されています。非常に情報の多い学術的な表記法ですが、GoogleやTwitterで検索をかけてみると、一般的な使用例はそれほど見当たりませんでした。
一方、杜(2015)の表記法はw:マサイ語#アルファベットの表の左側に挙げたような母音調和や声調の違いが表されないものですが、この形式の初出(≒確固たる根拠)が判然としていないという問題点がございます。なお、/ŋ/を"ng'"と転写する事についてはAllan, Keith (1989), "Discourse stratagems in a Maasai story." Current Approaches to African Linguistics ed. by J. Hutchison and V. Manfredi, 7: 179-91. Dordrecht: Foris.に言及があり、それによるとNaomi Kipuryの1983年の著作Oral Literature of the Maasaiで用いられていたらしき事が仄めかされています。また、先に挙げたオレゴン大学のマサイ語辞書のŋの項では、これはスワヒリ語の書き方である、との旨が示されています。一方、こちらのニュースサイトではアポストロフィなしのngと表記されるなど、細かい点でばらつきが見られます。ただし、Twitterでenkolong'を検索にかけた結果、マサイ語によるやり取りなどの投稿が何件もヒットするなど、このアルファベット基本字のみで可能な表記の仕方は一般性が高い様に見受けられます。
この様に、ラテン文字を基礎としている点を除けばその表記法にばらつきがある状況の中、正書法が定められていない他の様々な言語同様、マサイ語の項目が既にいくつかの他言語版プロジェクトにおいて作成されています。各プロジェクトが現在どの様な状況にあるか、以下にリンク付きで示す事と致します。
- アフリカーンス語版: 形式はほぼ統一。現在36項目。語根を本項目とし、接頭辞つき表記(母音調和の声調表示なし)はソフトリダイレクトに(例: af:enkolong' → af:oloŋ)。
- ドイツ語版: 形式に統一性あり。項目は一つもないが、24項目の訳語として掲載。名詞は接頭辞つきでハイフンや母音調和、声調の有無については無し。Justy氏による投稿が多くを占める。
- 英語版: 形式は不統一。現在2項目のうち、片方が声調表示なし、もう片方は接頭辞つき且つ声調表示あり且つハイフン付き。
- スペイン語版: 形式は不統一。現在3項目のうち、es:enkareとes:ɛnkárɛ́は同じ語の重複。
- フランス語版: 形式は不統一。現在3項目のうち、一項目が声調表示なし、残りが声調表示つき。
- クロアチア語版: 形式に統一性あり。現在2項目で、いずれも接頭辞つき且つ声調表示なし。
- 朝鮮語版: 形式は不統一。現在プロジェクト中最多の149項目が存在するが、接頭辞の有無や声調表示の有無、更にはハイフンの有無も不揃い。同じ語である筈のko:engareとko:enkareの重複も見られる。日本語版で正確性検証不能とされたndamaが残る。
- リトアニア語版: 形式は不統一。現在7項目。母音調和表示や声調、ハイフンの有無が不揃い。
- オランダ語版: 形式は不統一。現在4項目。母音調和表示や声調、ハイフンの有無が不揃い。
- ポルトガル語版: 形式は不統一。現在37項目。接頭辞つきの項目多し。ndamaが残る。
- ロシア語版: 形式は不統一。現在138項目。ハイフンの有無や声調表示の有無が不揃い。
- トルコ語版: 形式に統一性あり。現在24項目。基本的に声調や母音調和は反映せず、名詞は接頭辞つきのハイフンなし。
この様に見て参りますと、言葉を選んでも全体的には形式の不統一がどうにも目につきます。その一方でアフリカーンス語版の様に形式に統一性が見られ、内容も充実しているプロジェクトも存在しています。アフリカーンス語版マサイ語項目の大部分の執筆者はManie氏によるものです。接頭辞を省いた形を本項目としているのは、臆測によるところがありますが恐らく接頭辞のつかない名詞(例: menye 〈父〉)などとのバランスを考慮しての事であると思われます。
それでは、日本語版では項目の重複などの事態を避けるために、どのようにすればよろしいでしょうか。基本的にはアフリカーンス語版の方法を参考にすべきであるとは存じます。ただし、名詞が実際に用いられる場合、接頭辞つきの形が多めである事も考慮し、現在は以下の形式に従って投稿を行いたいと考えております。
- 接頭辞がある語の場合、接頭辞は付けるか → 付ける。ただしハイフンは項目を立てる際のページ名には使用しない(例: enkolong')。
- 語根についての表示はどうするか →
{{head}}
のheadパラメーター指定で表示。ただし、ソートキーは語根に合わせ指定する(例: {{head|mas|noun|g=f|head=enk-olong'|sort=olong}})。 - 母音調和、声調の表示はどうするか → 項目を立てる際のページ名には反映させない。異表記節でオレゴン大学オンライン辞書と同じ方式のもの(例: ɛnk-ɔlɔ́ŋ)を表示。アルファベットは一般性を重視し、杜(2015)で用いられている形式に従う。
以上の通りです。これについて皆様のご意見を伺いたいと存じます。
書いてから気がつきましたが、内容が名詞に関しての条件に寄っていますね。他言語版でも殆ど投稿例のない動詞にはまた別の問題がございますが、取り敢えず今回は名詞についての基準のみ決めておくということでいかがでしょうか。
なお、本筋からは外れてしまいますが素朴な疑問が一つございます。マサイ語に限らず確固たる正書法が存在していない言語については一度こちらに諮る事が望ましいでしょうか。また、こうした言語の掲載基準について将来Wiktionary:編集方針に明記する事も検討すべきでしょうか。--Eryk Kij (トーク) 2016年1月2日 (土) 23:21 (UTC)
- 個別言語についてWT:EPは場違いです。ここである程度まとめてもらってから、Wiktionary:項目名の付け方のWiktionary・トーク:項目名の付け方でお願いします。--Charidri (トーク) 2016年1月3日 (日) 00:32 (UTC)
- ご通達の件、承知致しました。丁度そちらの文書を探し求めておりました。正書法が無い言語の扱いについては既に基本方針案が出されていましたか。しかし私が上で用いた「一般性」はあまり言語学的なものではありませんね。むしろ「慣用」を含意するものです。それはさておき言語学的な一般性という範囲に限ったとしても、マサイ語の場合いくつもの著作がある為か母音調和や声調、ハイフン表示の有無がまちまちで、そうした多様性が他プロジェクトにおける項目名の不統一にそのまま結びついている様に見受けられました。故に、日本語版ではこうした将来起こり得る混乱を予め回避するための対処法を策定すべく議論を提起する必要性がある、と考えるに至った次第です。
- なお、差し出がましいお願いとはなりますが、もしこの件について特に懸念要素をお持ちでない場合は、賛意を示して頂くだけでも幸いと存じます。一方、少しでも懸念や腑に落ちない点をお持ちであれば、どうぞ躊躇せず忌憚無く述べて頂ければありがたいです。--Eryk Kij (トーク) 2016年1月3日 (日) 10:19 (UTC)
- コメント 日本語文化圏においてはさほど馴染みの無いものを扱おうとしておりますので、少々コメントし辛いものかと思われます。そこでもう少し具体的な形にした方がより明解になるであろうと思い立ちましたので、私の提案通りに項目を作成しソートを行った場合に、カテゴリページの見栄えがどの様になるのかをシミュレーションして参りました。こちらになります。もし一ヶ月以内に異論がなければ、この形式に則って執筆に移らせて頂く所存です。よろしいでしょうか。--Eryk Kij (トーク) 2016年1月4日 (月) 16:41 (UTC)
- 自信がありますか^^ ガンバッテください。--Charidri (トーク) 2016年1月6日 (水) 12:40 (UTC)
- Charidriさんは内容について特に反対意見などはお持ちでないでしょうか。--Eryk Kij (トーク) 2016年1月6日 (水) 13:15 (UTC)
- 私にことわる必要は、ありませんよ--Charidri (トーク) 2016年1月6日 (水) 13:20 (UTC)
- ありがとうございます。あまりに虫の良すぎる話ではございますが、極力あらゆる方に関心を持って頂きたいという本心がございます故に。
- さて、実を申し上げますと若干私の主張を危うくする要素が浮上して参りました。/ŋ/の転写についてです。『言語学大辞典』(三省堂)の第四巻、「マサイ語」の項(執筆者は稗田乃氏)で上に挙げたMolの辞書(1978年)の一部が引用され、また体裁についても言及されていました。これによると母音用のアルファベットは五つのみ(つまり母音調和の表示はなし)で、また声調についての表示もなしとの事です。ここまでは私の目指しているものとほぼ同じ方向性であるのですが、/ŋ/音の転写はそのままŋとされていました。Payne教授らのオンライン辞書においてもŋが用いられていますので、「項目名の付け方」のノートページにある言語学的な一般性を重視すると、ng'表記は用いるべきではないのではという話になるかとは思われます。
- しかし、これについてはenkolong' /enkoloŋの他、使用頻度が高いと思われる〈人間〉を表すoltung'ani /oltuŋaniを用いてWeb検索を行ったところ、前者のパターンがいずれの場所でもニュースなどの多くのマサイ語文の存在を示したのに対し、後者のパターンはTwitter上では一切ヒットせずGoogleで引っかかるのはWiktionaryのページのみという結果となりました。これは、表記に関して言語学的な一般性と慣用的な意味での一般性(≒現実的な普及率)との間に開きがあると見る事ができます。以前この様な議論が行われた事は存じておりますが、この事例に今回の件を照らし合わせると「現地で」用いられているかという点についてはもしかするともう少し突き詰めて検証する必要性があるやも知れませんが、「自然言語として実使用されている」かという条件についてはウェブ上の文書の存在により満たされているという考えでございます。よって、当初の予定通りng'表記案を通したい所存ですが、いかがでしょうか。
- なおソートの件についてですが、もし上のシミュレーションでは見栄えが悪いという意見が多く寄せられた場合、アフリカーンス語版同様に語根を本項目とする代案も用意致しております。--Eryk Kij (トーク) 2016年1月6日 (水) 14:57 (UTC)
- ウィキプロジェクトでは慣例を重視しますが、正書法がなく既存の辞書も少ない言語の取扱いはなかなか難しいところだと思います。その点、他言語版まで細かく確認する姿勢には頭が下がります。私はマサイ語の知識がありませんが、接頭辞に関して気になることがあるのでコメントさせていただきたいと思います。
- ウィクショナリーでは通常、項目名(記事名)をソートキーとし、辞書の並び順に合うように、アクセント記号を除くなどの修正を加えていると認識しています。そのため、項目名が接頭辞付き(例:enkolong')でソートキーが接頭辞無し(例:olong)というのは違和感があります。マサイ語の接頭辞がどのようなものか分かりませんが、スワヒリ語の名詞の場合、項目名もソートキーも名詞クラスを表す接頭辞付き(例:mtu、kitabu)ですので、マサイ語でも両方とも接頭辞付きでよい気がします。ただし、サンスクリット語のように名詞の語幹を項目名にする言語もありますので、接頭辞無しの形を項目名にしてもおかしくはないと思います。その場合は、実際に使われる接頭辞付きの語形も一緒に示したほうが親切かも知れません(例えば、「olong' (単数主格 enkolong')」のように)。どちらにしても、項目名とソートキーは合わせておいたほうが自然ではないかと思います。--Usagiuma (トーク) 2016年1月9日 (土) 14:26 (UTC)
- コメントありがとうございます。実際にシミュレーションしていて私も感じたのは、マサイ語の知識が何もない人にとっては不親切だな、という事です。そもそもPayne教授らのオンライン辞書が語根で並べられていて違和感がないのはハイフンが表示されているからであり、ハイフンを省いた状態で語根順ソートのみを猿真似してユーザーフレンドリーになる筈がありません、当たり前です。Usagiumaさんの仰せの通りこの様に並べた方がよほど利用者に優しい。ごもっともです。しかしながらその様に理解していながらも、なおこの案を通そうと考えている理由が三つほどございます。
- 一つは単語とする範囲の問題です。フランス語やドイツ語などでは名詞の性を表すために冠詞を用いる場合がありますが、これはフランス語 la puissance 〈力〉の様に空白が入るため二番目の要素を単語として扱えばよいと分かります。一方マサイ語の場合、一定量存在するラテン文字表記の文章中でもol-やen-(基本的な形はこの二種類で、後続の音によってこのような変種が見られます)の部分は語根から分けられずに表されているので、接頭辞と分かります。実際に用いられている形を最大限重視したいという考えがございますので、項目名から接頭辞を除く事には若干抵抗を抱いております。
- もう一つの理由は、切れ目の不明な名詞についての扱いです。マサイ語には文献によって接頭辞と語根の切れ目の表示が異なっている場合もあります。また、場合によっては今後私以上にマサイ語の知識がない方が項目を作成される事も十分想定されます。先ほど述べました様に、マサイ語名詞は接頭辞つきの形で現れる場合が多いです。仮にどなたかがそうした接頭辞つきの形を正確性の裏づけは取れた、という事で投稿を行ったとしましょう。その様な際に、大半の項目が語根であるのに接頭辞つきのものがあると浮いたりしてしまわないか、という事を懸念しているのです。現在はPayne教授らによるオンライン辞書が最も信頼できる情報源ではあります。しかし将来その内容とは異なる学説が出されてページ名を変更する必要に迫られる可能性があります。また、将来オンライン辞書自体が突然閉鎖される恐れも無きにしも非ずです。そうした将来における不安要素を考慮に入れると、ハイフンなし接頭辞つきの形で掲載するのは最も安全な選択肢であるものかと存じます。
- 上二つの要素を踏まえるとおまけの理由として、不合理な並べ方にむしろ価値を見出すという選択肢も出て参りました。項目名とソートとが一見ちぐはぐの状態であれば、勿論初めて項目の一覧を目にする方を戸惑わせる事とはなりますが、一方で同時に「マサイ語ってこんな感じの言葉なんだ」という感触を一目見ただけで抱いてもらう事も期待できると予測しております。
- 以上の通り、現時点において私の中では「接頭辞つき項目名」と「語根によるソート」とは両立させねばならないものとなっております。色々と述べて参りましたが、全体の統一性や現実における使用例を重んじるがあまりに利便性を蔑ろにしているふしがあるという事は重々承知致しております。しかし、私にとって都合の良い事ばかりを考えているだけではなりません。代案のまとめと追加提案を示しておく事と致します。最初の提案における1.は1a.、2.は2a.と致します。
- このうち4.、5.についてはページ名をどの様にするか否かにかかわらず適用する事ができるという考えでございます。繰り返しとなりますが、あくまでも現在の私の希望は1a.、2a.、3.、4.、5.でございます。--Eryk Kij (トーク) 2016年1月9日 (土) 18:11 (UTC)
- 項目名にもソートキーにも接頭辞を付けるという方法もあると思います。ソートキーに接頭辞を付ければ接頭辞と語根との境界が不明なケースも解決すると思いますが、ソートキーを語根とする(接頭辞を付けない)理由はどのようなものでしょうか。--Usagiuma (トーク) 2016年1月11日 (月) 14:42 (UTC)
- こんばんは。ええと…すみません。項目名とソートキー両方に接頭辞を付けると、結局接頭辞つき・ソートキーなしの形で項目を立てた場合とほぼ同じになってしまわないでしょうか。実際に用いられている形は重視したい、されど名詞には接頭辞のない語(例: menye 〈父〉やong'ata 〈曠野〉)もたまに存在するのでソートの際それらとのバランスを考えて語根の順になるように表したい。これらの要素が両立するよう、少し欲張りたいところであるのです。--Eryk Kij (トーク) 2016年1月11日 (月) 16:25 (UTC)
- 少し内省して参りましたが、他言語版を無批判に猿真似すべきではないと意固地になるがあまり、妙な方向に突き進もうとしてしまっている感がございましたね。もう少しアフリカーンス語版の合理性を素直に受け入れてもよろしいかな、と考え直しつつあります。先のシミュレーションでは本項目のみが列挙された状況しか想定しておりませんでしたが、ソフトリダイレクトを作るという選択肢で十分ではないかと思われて参りました。これで朝鮮語版のように何の断りもなく同じ内容のページが重複する事態や不合理なソートも避ける事が可能となる筈です。その様な訳で、
- 1b改. 接頭辞つきのページはソフトリダイレクトとし、語根を本項目とする。ソフトリダイレクトは「Category:マサイ語 名詞 定形」に分類する。
- これでいかがでしょうか。この場合、本来語釈を記す箇所に置く誘導文は「~の接頭辞つきの形。」または単に「~を参照。」といった書式が望ましいと存じます。--Eryk Kij (トーク) 2016年1月12日 (火) 10:12 (UTC)
- 少し内省して参りましたが、他言語版を無批判に猿真似すべきではないと意固地になるがあまり、妙な方向に突き進もうとしてしまっている感がございましたね。もう少しアフリカーンス語版の合理性を素直に受け入れてもよろしいかな、と考え直しつつあります。先のシミュレーションでは本項目のみが列挙された状況しか想定しておりませんでしたが、ソフトリダイレクトを作るという選択肢で十分ではないかと思われて参りました。これで朝鮮語版のように何の断りもなく同じ内容のページが重複する事態や不合理なソートも避ける事が可能となる筈です。その様な訳で、
- そうですね、1b改でよいと思います。これなら、項目名に沿った並び順になりますので。ソフトリダイレクトのページは、他の言語の変化形の項目のように、どの数・格(必要であれば性も)に当たるかも書いておくとよいと思います。例えば、「olong'の接頭辞つきの形(単数主格)」あるいは単に「olong'の単数主格形」のような書き方ではいかがでしょうか。また、カテゴリーも「Category:マサイ語 名詞 定形」でよいと思います。定動詞でないのに「定形」と呼ぶのはちょっと違和感がありますが、ウィクショナリーでは「~ 名詞 定形」という表現のカテゴリーが多数あるようですので、これで構わないのだろうと思います。--Usagiuma (トーク) 2016年1月15日 (金) 14:06 (UTC)
- ありがとうございます。性については無論その様に致します。数については失念しておりました。ご指摘ありがとうございます。ただ、声調つき表記をページ名にする場合ではない限りソフトリダイレクトにおいて格についての情報を記載する必要は無いと存じます。何故ならば、マサイ語の名詞や形容詞の格の違いは語形の変化によってではなく、声調の違いによって表されるという性質を持っている為です(参照: w:マサイ語#格, w:声調#マサイ語)。これはアフリカの言語以外ではほぼ確認されていない特徴ですので、発音情報についてはWiktionary:マサイ語の発音表記を設けてそちらに要点をまとめる事としたい所存です。そして本項目の「発音」節にその具体的な内容を記したいのですが、個々の単語ごとの声調情報について私がアクセスする事ができる情報源はほぼ先述のPayne教授らのオンライン辞書のみです。そこから情報を「引用」するという形であれば日本においてフェアユース (wp)の考え方を適用する事が不可能であるとしても著作権を侵害する事にはならないと考えておりますが、甘い見立てでしょうか。現時点でのレイアウトはこの様な具合となります(項目: lukunya)。
- なお、ラテン文字表記についての追加情報をば。『言語学大辞典』「マサイ語」の項に記載されているMol[1]の辞書(1978)の引用を確認致しましたところ、以前問題として取り上げたIPA: /ŋ/音のみならず、IPA: /ɲ/音もnyではなくそのままɲと記載されていました。つまり、私が先ほどレイアウト例として提示したlukunyaはMolによる書き方を踏襲するとlukuɲaとせねばならない事となります。しかし、この表記でGoogleならびにTwitter検索を行っても何一つ引っかかりませんでした。その上アフリカーンス語版マサイ語項目のほぼ唯一の執筆者Manie氏もmenyeやŋotonyeを本項目とするなど、Molの表記法は全く一般に浸透しているとはいえない状況です。『言語学大辞典』該当項目中では全体的な記述においてもŋやɲ表記が用いられていますので「言語学として一般的な表記」の範囲ではあるのでしょうが、どうにも腑に落ちません。くどいやもしれませんが、IPA: /ŋ/をng'、IPA: /ɲ/をnyとする表記は特定の言語統制機関が定めた正書法ではないにしろ、実際にマサイ語文書(時には映像にも)の一部として用いられた形跡がいくつも見つかるという要素を無視する事ができないのです。このサイトにおいてyurusuの様なローマ字で書かれた日本語の単語をそのまま日本語項目として投稿したり、ペルシャ語をラテン文字で表したペングリッシュをペルシャ語だからという理由でそのまま投稿したりする事がないのは、「その言語の正書法に用いられる本来の文字体系ではない」為です。しかし、マサイ語の場合「ラテン文字により記される」という事が複数の文献によって言及され[2][3]、ng'やny表記はそうした要素と致命的には矛盾していないのです。故にこのスワヒリ語に影響を受けたと思われる表記は採用されても良いという考えでございます。現在の私の考え方を踏まえると、3.も少し改定する必要がございます。
- 3改. 母音調和、声調の表示はどうするか → 項目を立てる際のページ名には反映させない。発音節でオレゴン大学オンライン辞書とほぼ同じ方式のもの(例: 対格はɛnkɔlɔ́ŋ)を表示。アルファベットは一般性を重視し、杜(2015)で用いられているようなスワヒリ語の影響を受けたと思われる形式を用いる。但し、学術的な表記を重視すべきという意見が出された場合、再び議論を行う余地は存在する。
- そして提案に耳を傾けて下さる皆様にとって負担となるので本当はあまり一度に次から次へと立て続けに議題を増やすべきではないものとは存じますが、この期に早めに触れておきたいものがございます。動詞についてです。他プロジェクトにおいては未だ投稿が確認されていない品詞ですが、実はMolの辞書やPayne教授らのオンライン辞書いずれにおいてもa-という接頭辞つきの見出しで紹介されているという共通点がございます。これは現在・一人称単数を表すもので、たとえばa-dolであれば〈私は見る〉、a-loであれば〈私は行く〉となります。ただ、こうした形で載せようとしても、カテゴリにおけるソートが全てAに分類されてしまう難点がございます。しかしこの件については、名詞と同様に接頭辞の扱いが問題であるという事は、裏を返せば名詞のソートについての議論が煮詰まれば動詞についても自ずと方向性が決まってくるものであろう、という事で比較的楽観視致しておりました。これまでに挙げて参りました様な複数の文献に目を通す限り、マサイ語の動詞にはどの様な場合においても必ず何らかの接頭辞が付加される模様です。よってこちらのシミュレーションの様にしつつ、
- 6. 動詞についてはどうするか → ページ名の先頭にハイフンを付ける。ソートは語根に合わせる。見栄えが気になる場合には見出しテンプレートでa-付きの形を表示しても構わない(例: ページ名: -dol、見出し: {{head|mas|verb|head=a-dol|sort=dol}}
- とするのが妥当なところであると思われます。
- 以上、この様な調子でいかがでしょうか。確認致しますと、現段階で採用する予定の基準は1b改.、2b.、3改.、4.、5.、6.という事になります。このうち4.については、あくまでも他に確認する手立てが存在しない場合の暫定措置として適用する事を念頭に入れております。
- ↑ なお、このFrans Molについてはやはり『言語学大辞典』「マサイ語」の項において、聖職者としてマサイ族と共に過ごした経験を元に辞書を記すも言語学的な訓練を受けた者ではない、との旨が記されている。
- ↑ George L. Campbell and Gareth King, Compendium of the World's Languages, 2013, p. 991. 但し本書においてはIPA: /ɪ/音をị、IPA: /ɛ/音をẹ、IPA: /ɔ/音をọと表すなど他では見られないような表記法が用いられている。
- ↑ Maasai at Ethnologue 2016年1月16日閲覧。 但し、無料で閲覧可能なコンテンツに限度が設けられるようになった点に注意。
- 格変化については了解しました。格変化が声調の違いで区別されるのであれば、項目名には現れませんので、語義のところに示す必要はありませんね。
- 動詞については、語幹の前にハイフンがあるのは見慣れないので、ちょっと気になりました。ただ、マサイ語の場合、動詞には必ず接頭辞が付くとのことですので、ハイフンはあってよい気もしています。語幹+語尾の形を取る言語の場合、語幹を示す時に語幹の後ろにハイフンを付けて書くことはよくありますので(例:ラテン語ag-)。その他は特に問題ないと思います。--Usagiuma (トーク) 2016年1月23日 (土) 14:10 (UTC)
- ご理解頂き、ありがとうございます。このまま異論が無いようでしたらそれぞれ提案の提案から一ヶ月経過、つまり動詞以外の大半の品詞(名詞、形容詞、副詞、代名詞、接続詞、間投詞)については日本時間で来月3日8時21分より、動詞については来月16日3時45分から規準を適用し、項目作成や訳語集への記入を可能にする事としたい所存です。
- ところで、これは本筋ではございませんがPayne教授の辞書には時にquant.という品詞表示が見られます。具体的には〈全て〉や〈沢山〉という意を持つ語の項目においてです。これは恐らくquantifier (en) 〈数量詞 (wp)〉を表す略語と思われますが、こうした項目の品詞表示はどのようにした方がよろしいでしょうか。そのまま「数量詞」で問題ないでしょうか。--Eryk Kij (トーク) 2016年1月23日 (土) 18:36 (UTC)
- そしてもう一つ確認をば。これまでに挙げた要素を繰り返す事となりますがご容赦下さい。こうした形式であればPayne教授らの著作権を侵害せずに済むでしょうか。極力複数の典拠が存在する単語やことわざを中心に執筆していきたいと考えておりますが、事実上格変化についての情報も兼ねる発音の詳細についてはPayne教授らの辞書一点頼みとなる見通しであるのです。発音が命とも言い得る言語を構成する重要な要素である以上、著作権法は遵守しつつも極力詳細に示していきたいのですが、これに関して現在の姿勢で本当に問題はないか、特にUsagiumaさんならびにMtodoさんのご見解を伺っておきたいと存じます。その他の方からのご意見もお待ち致しております。--Eryk Kij (トーク) 2016年1月24日 (日) 21:46 (UTC)
(インデントもどします)
- Mtodoです。ご指名いただき、光栄ではありますが、いかんせん、当該言語には一切の知識の持ち合わせもありませんので、特に意見はなく識者の合意に従います。オーソライズされた正書法が無いならば、「それは、何に基づいているのか」と聞かれた時に「●●の著書××に基づいています」と応えられれば十分で、それに不満がある人がいれば、それは根拠を示し議論で対処ということでしょう。
- 一点、上で、Charidriさんがご指摘されていることですが、結論が出ましたら、その結論についてWiktionary:項目名の付け方に記載し、この議論の過程については、Wiktionary・トーク:項目名の付け方に転記(サブページ化する方法が適当かと思います)することをお勧めします。
- あと、「数量詞」でもかまいませんが「類別詞(カテゴリ:類別詞参照)」の方が適当かもしれません。--Mtodo (トーク) 2016年1月27日 (水) 09:40 (UTC)
- ご回答ありがとうございます。品詞の件につきましては承知致しました。それでしたら、もし扱う際にはCategory:マサイ語 数量詞を設けてCategory:類別詞の下に置く事にしたいと存じます。上位カテゴリと下位カテゴリが厳密に一致しない事例は日本語や朝鮮語の「助数詞」や中国語の「量詞」の先例がある模様ですので、問題は無いと見ております。
- そして結論や議論過程を明記する事につきましても概ね把握致しておりますが、サブページの作成場所についてはどちらが適切でしょうか。「Wiktionary:項目名の付け方」の下に「/マサイ語」でしょうか。それとも「Category:マサイ語」の下に「/項目名の付け方」という具合でしょうか。他の言語についてのサブページ化の先例を探しましたが見当たりませんので、サブページを作成せずそのまま直接転記する方法も考えております。--Eryk Kij (トーク) 2016年1月27日 (水) 12:20 (UTC)
- マサイ語のように文献が少ないものは、少数の資料に依るのも、やむを得ないと思います。もちろん、複数の資料に当たれるのであれば、そのほうがよいですが。著作権について詳しくは分かりませんが、発音のような場合は、ある事実を特定の表記法で書こうとすると誰が書いても同じ表現になりますので、表記が同じになること自体は特に問題ないのではないでしょうか。ただし、並べ方などまで同じであれば、問題があるかもしれません。
- quant.については、マサイ語の数量詞というものがどのようなものか分かりませんが、もし日本語の助数詞のようなものでしたら、Mtodoさんの書かれたとおり「Category:類別詞」のカテゴリーがよいと思います。また、もし英語の限定詞のようなものであれば、「Category:限定詞」のカテゴリーもありますし、名詞や形容詞の下位分類であれば「名詞」「形容詞」のカテゴリーでもよいと思います。どれにも相当しないような特別な品詞であれば、「数量詞」というカテゴリーを立ててもよいかもしれません。この辺りは、マサイ語の数量詞がどのようなものかによると思います。--Usagiuma (トーク) 2016年1月30日 (土) 15:05 (UTC)
- ほぼ英語のallやmanyに該当する言葉が目立ちますので、挙げられた既存の品詞名の中では「限定詞」が最も近いでしょう。ただ、「限定詞」にあたる英語はあくまでもdeterminer (en)です。quantifierは『ランダムハウス英和大辞典』や『ウィズダム英和辞典』において「数量詞」と訳されていますので、これを他の名称にずらしてしまう事には抵抗がございます。極力学者による分類を優先したいところがございます。--Eryk Kij (トーク) 2016年1月31日 (日) 13:24 (UTC)
- コメント quant.の扱いについては議論の余地がございますが、それ以外の要素についてはこれまでに議論してきた規準を改めてまとめておく事と致します。議題提起に時間差が存在する事を考慮し、動詞に関する1.2以外の規準については明日2月3日8時21分(JST)より、1.2については同16日3時45分(JST)より有効としたい所存です。
- 接頭辞がある語の場合、本項目は接頭辞つきの形とするか。→ 原則としては、しない。
- 名詞: 接頭辞つきのページはソフトリダイレクトとし、語根を本項目とする。ソフトリダイレクトは「Category:マサイ語 名詞 定形」に分類する。
- 動詞: ページ名の先頭にハイフンを付ける。ソートは語根に合わせる。見出し部分の見栄えが気になる場合には見出しテンプレートでa-付きの形で表示しても構わない(例: 動詞〈見る〉 ページ名: -dol、見出し: {{head|mas|verb|head=a-dol|sort=dol}})。
- 接頭辞と語根との境界が不明な場合はどうするか。→ 接頭辞つきの形態をそのまま本項目とし、ソートキーの先頭に疑問符をつける(例: olenkaina 〈象〉: {{head|mas|noun|g=m|sort=?olenkaina}})。ただしこれはあくまでも最終手段であり、原則としては1.1の通り語根を本項目とする。
- 本項目における接頭辞についての表示はどうするか。→ 接頭辞と語根との区切りは
{{head}}
で表示(例: {{head|mas|noun|g=f|head=enk-olong}})。 - 母音調和や声調の表示はどうするか。→ 項目を立てる際のページ名には反映させない。発音節で表示(例: 対格はɛnkɔlɔ́ŋ)。アルファベットは一般性を重視し、杜(2015)中で見られるようなスワヒリ語の影響を受けたと思われる形式を用いる。但し、学術的な表記を重視すべきといった意見が出された場合、再び議論を行う余地はある。
- ŋ/ng'のソートはどうするか。→ngの二文字でソートする。
- 接頭辞がある語の場合、本項目は接頭辞つきの形とするか。→ 原則としては、しない。
- コメント quant.の扱いについては議論の余地がございますが、それ以外の要素についてはこれまでに議論してきた規準を改めてまとめておく事と致します。議題提起に時間差が存在する事を考慮し、動詞に関する1.2以外の規準については明日2月3日8時21分(JST)より、1.2については同16日3時45分(JST)より有効としたい所存です。
- さて、quant.については引き続き議論して参りたいと存じます。話はやや逸れますが、私は項目のみならず品詞の分類についても検証可能性が適用されるという見解でございます。たとえばポーランド語にdlaczego, tu, wtedyといった語があります。これらはそれぞれ凡そ英語の副詞why, here, thenにあたるので、英語的な感覚からすると「副詞」として扱っても良いかの様に見えます。ところが、有力な外部辞書サイトSłownik języka polskiego PWNを確認すると、これらはいずれもzaimek、すなわち「代名詞」とされているのです。この様に情報源の言語によって品詞の扱いが異なるものが存在する場合は、原語によるものが最も妥当であると見て編集活動に臨んでおります。今回の議論対象であるマサイ語に話を戻します。マサイ語の場合、残念な事に話者達自らの視点による品詞の見解が示された資料は未だ見つかっておりません。しかし研究者は存在します。こうした場合には次善の策として研究者による分類を重んじるのが妥当であろうと目下のところ私は考えております。--Eryk Kij (トーク) 2016年2月2日 (火) 09:41 (UTC)