- Armstrong (1940:50,260) によると孤立形の声調パターンは「中、中かつ昇」であるが、前に nĩ を置いて Nĩ taata.「おばである。」と言い切る場合は nĩ を含めて「高、高、中かつ昇」となるなど、前後に他の語が存在するか、存在する場合はどのような種類の語であるかによって声調の変動が見られる。Armstrong (1940) では nyamũ を始めとした mũguĩ、mũgwacĩ、rũkũ、Nyakĩo〈女性名の一つ〉などと同じ「ɲamoクラス」という声調クラスに分類されている[1]。Benson (1964) では声調クラスの分類は「クラス6」で、他に同クラスの2音節語幹語には mũgwacĩ、nyamũ などがある[2]。
- 〔リムル方言〕湯川 (1981:91) によると孤立形は [tààtǎ] であるが、後ろに ũyũ〈この〉が続く場合は [tààtà òjó]、wakwa〈私の〉が続く場合も [tààtà wáákòà]、後ろに nĩ がある場合も [tààtà né] で、前に nĩ がある場合は [né táátǎ]、前に ti がある場合は [tì táátà] となるなど、前後に他の語が存在するか、存在する場合はどのような種類の語であるかによってアクセントの変動が見られる[3]。なお、ti の高さについてはリムル方言と同じくキアンブ方言に属するナイロビ方言を調査した湯川 (1985:199) で高いと訂正されている[4]。湯川 (1981) では gũtũ、ũta、ruo、nyamũ、kanyamũ、mũtwe、mahĩa、ngwa、guka、taata〈おば〉、ngwacĩ、ũthiũ(複数: mothiũ)などは同じ「昇型」アクセントの名詞と分類されている[3]。