あまり

日本語

名詞

あまり【余り、剰り】

1. 余ったもの。あぶれたもの。
   • そうめんのあまりを炒めて食べた。
   • 欠点を補ってあまりあるだけの魅力がある。
   • 察するにあまりある（=推察や想像の範囲を超える）。
2. (数学) 自然数または整数の範囲内で行う割り算に於いて、割り切れずに残った数。剰余。
   • 5割る2は2余り1
3. 程度が甚だしいこと。自分の予想を超えていること。
   • 余りの美しさに息を呑む。
4. （「あまり」「あまりに」の形で接続助詞的に）ある事態の程度が甚だしいため、さらなる事態を引き起こすこと。
   • 感激のあまり、涙が出てきた。
   • 驚きの余り言葉が出てこない。

発音

語義1,2,3

• (東京式) あまり​ [àmáríꜜ] (尾高型 – [3])
• IPA^(?): [a̠ma̠ɾʲi]
• (京阪式) あま​り (語義1,2)
• (京阪式) あまり (語義3)

語義4

• (東京式) あ​まり [áꜜmàrì] (頭高型 – [1])
• (東京式) あまり [àmárí] (平板型 – [0])
• IPA^(?): [a̠ma̠ɾʲi]
• (京阪式) あ​まり

語源

• 動詞「あまる」の連用形から。

関連語

• 類義語: 残り、剰余
• 派生語: 余り物、余り有る、余り茶
• 成句: 余り物に福あり、余り茶に福あり

形容動詞

あまり【余り、剰り】

1. 程度が甚だしいさま。自分の予想を超えているさま。
   • 余りに美しくて息を呑む。
2. 様子がとても酷いさま。あんまり。
   • その仕打ちは余りだ。

発音

• (東京式) あまり​ [àmáríꜜ] (尾高型 – [3])
• IPA^(?): [a̠ma̠ɾʲi]
• (京阪式) あまり

活用

活用と結合例

あまり-だ 形容動詞活用表（日本語の活用）

ダ活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
あまり	だろ	だっ で に	だ	な	なら	(無し)

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
推量・意志	あまりだろう	未然形 + う
過去・完了	あまりだった	連用形 + た
否定形	あまりでない	連用形 + ない
自動詞化	あまりになる	連用形 + なる
言い切り	あまりだ	終止形のみ
名詞化	あまりなこと	連体形 + こと
仮定条件	あまりならば	仮定形 + ば
様態	あまりそうだ	語幹 + そうだ

関連語

• あんまり
• 成句: 余りと言えば

副詞

あまり【余り、剰り】

1. たくさん。度を超して。
   • 余り寝過ぎると遅刻する。
   • 「どうするも何もない、坊主にするだけだ。坊主にされて今のような立派な男になるには二年ばかり手間が掛るだろう。往生しろと云て、髻を捕えて鋏をガチャ／＼云わせると、当人は真面目になって手を合せて拝む。そうすると共謀者中から仲裁人が出て来て、「福澤、余り酷いじゃないか。「何も文句なしじゃないか、坊主になるのは約束だと問答の中に、（福澤諭吉『福翁自伝』）
2. （後ろに否定を伴って）予想よりも良くないさま。一般的な水準と比べいくぶんおとるさま。さほどでないさま
   • 余り美味しくない。（cf. あまりに/あまりにも 美味しくない。=「とてもまずい」の意）

発音

• (東京式) あまり [àmárí] (平板型 – [0])
• IPA^(?): [a̠ma̠ɾʲi]
• (京阪式) あまり

関連語

• あんまり
• 類義語
  • 語義1: たくさん、いっぱい
  • 語義2: 然程（さほど）、たいして、それほど、そんなに、さして

接尾辞

あまり【余り、剰り】

1. 数量を表す語に付いて、それよりも少し多いことを表す。
   • 十年余り昔の話。
2. 数詞の後に付いて、後ろの数詞の数が加わることを表す。
   • 十日（とおか）余り三日（みっか） (13日)
   • 三十年（みそとせ）余り七年（ななとせ） (37年)

動詞

あまり

1. 「あまる」の連用形。

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沖縄語

名詞

あまり

1. 天女が地上へ降（お）りてくること。

類義語

• あまうり

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古典日本語

名詞

あまり【余り】

1. 余分。余（あま）ったもの。
2. 限度を超（こ）すこと。

発音

三拍名詞四類^(?)

• (平安時代)あまり
• (南北朝時代)あま​り
• (室町時代)あま​り
• (江戸時代)あま​り

副詞

あまり【余り】

1. 度を超して。非常に。
2. （下に打消の語を伴って）大（たい）して。それほど。

接尾辞

あまり【余り】

1. （現代語に同じ）〜あまり。