烏有先生(うゆうせんせい)
- 仮に設定した、実在しない人物。架空の人物。
司馬相如『子虚賦』の登場人物。「烏有」とは「烏くんぞ有らむや(どうして有ろうか、有ろうはずがない)」の意で、架空の人物であることが名前からわかる仕掛けになっている。なお、同作には、「子虚」「亡是公」という人物も登場するが、やはり架空の人物である。下記「出典」の節も参照。
う↗ゆーせんせ↘ー
(白文)
- 楚使子虚使于斉、斉王悉発車騎、与使者出畋。畋罷、子虚過姹烏有先生、亡是公在焉。
(訓読文)
- 楚、子虚をして斉に使ひたらしむ。斉王、悉く車騎を発し、使者と畋(かり)に出づ。畋(かり)罷みぬるとき、子虚過りて烏有先生に姹る。亡是公(むぜこう)在せり。
(現代語訳)
- 楚の国が、子虚という者を斉の国に使者として遣わした。斉王は、あらゆる車馬を出し、使者と共に狩りに出掛けた。狩りが終わると、子虚は烏有先生の家に立ち寄り、自慢話をした。亡是公もそこにいた。