かったいの瘡うらみ(「うらみ」は「うらやみ」の誤、癩(癩病・ハンセン病の患者)が、「瘡」(皮膚病だが、この場合、梅毒)の患者を羨ましく思う)
- (一般に劣ったもの同士で)大差のないものを羨ましく思うことの喩え。
- 僕は夢にでも立派な體格になつて見たいと思はぬ晩はないのだ。わが手人よりも強く、わが足人よりも疾く、高きも花は折らう、深くも水は渉らうとやうに……つまりかツたいの瘡うらみだが、君僕は正直に言ふ、僕若し一兵卒たるを得ば、攻めあぐめる旅順口の要塞にいつその腐れ、奮鬪して死んで見せるよ。(横瀬夜雨 『花守』)