已にかみ、己は下につきにけり、己はみなはなれ、巳はみなつく

日本語

編集

成句

編集

にかみ、は下につきにけり、己はみなはなれ、はみなつく(すでにかみ、おのれはしたにつきにけり、みはみなはなれ、つちはみなつく)

  1. 已己巳己のそれぞれの文字の違いを和歌の形にして表したもの。ただし、3文字目は厳密には創作漢字であり、その他の漢字の説明の正確性も欠けている[1][2]参考:(1)俚諺辞典』熊代彦太郎編、幸田露伴校閲、小学館、1906年9月、398頁。(2)藤沢衛彦図説 日本民俗学全集あかね書房、1960年5月、192頁。
    • 四月十二日。細雪午後に歇む。昨日の暑さに似ず今日は風冷なり。浄瑠璃小野道風青柳硯をよみしに次の如き歌あり。備忘のため記し置くなり。
      已に上己は下につきにけり己はみなはなれ巳は皆つく
      辞典を見るに巳はツチノトにあらずして十二支のみなり、此歌の下の句解し難し。――永井荷風永井荷風日記』第3巻、東都書房、1959年1月、26頁。

由来

編集
  • 小野篁(802-852)の『小野篁歌字尽[3]』からとされる。ただし、実際には小野篁が作ったものではなく、後世の作とされる[1][2]
    • すでにかみおのれはしもにつきにけりみはみなはなれつちはみなつく――小野篁歌字尽』近八郎右衛門編、近八郎右衛門、1886年3月、7頁。
    • 歌字尽うたじづくしの其中に。「すでかみおのれは下につきにけり。己は皆はなれつちみなつく。とよまれし歌を知らせの使つかひ――竹田出雲、吉田冠子、中村閏助、近松半二、三好松洛「小野道風青柳硯」『校訂 浄瑠璃名作集』博文館編輯局校訂、博文館、1910年10月、9版、1013頁。

脚注

編集
  1. 1.0 1.1 石川謙「小野篁歌字盡についての教育史的考察」『教育学と教育史学』乙竹岩造先生喜寿祝賀会編、東洋館出版社、1952年11月、595-655頁。
  2. 2.0 2.1 前尾繁三郎「巳の字のはなし」『政治家のつれづれぐさ』誠文堂新光社、1967年12月、129-135頁。
  3. 小野篁歌字尽”. 古典籍総合データベース. 早稲田大学. 2023年5月4日閲覧。