戦戦恐恐
日本語
編集異表記・別形
編集- 戦戦兢兢
- 戦戦恟恟
- 「兢」も「恟」も「おそれかしこむ」の意(「戦」は「ふるえる」)。
- 語の由来からは、「兢」であるが、日本で同音のため「恐」「恟」を当てた。現在では「恐」のみが常用漢字であるため、一般にこの用字となっている。
成句
編集- 震えるほどにおそろしさを感じている様。
- その上に卜筮などを信じ始めると、一から十まで卜筮に照らさなければなにごとも決心がつかず、臆病神がとっつき、戦々恐々として世の中を渡るようになるから、利の方よりも害の方が多いと申してよかろう。(井上円了『迷信と宗教』)
- 胸中、戦戦兢兢たるものがあった。私は不幸なことには、気楽に他人と世間話など、どうしてもできないたちなので、もし今から、この老爺に何かと話を仕掛けられたら、どうしようと恐ろしく、いよいよこれは、とんでもないことになったと、少しも早くここを逃げ出したくなって来た。(太宰治 『美少女』)
- 御飯焚のお悦、新しく来た仲働、小間使、私の乳母、一同は、殿様が時ならぬ勝手口にお出での事とて戦々恟々として、寒さに顫えながら、台所の板の間に造り付けたように坐って居た。(永井荷風『狐』)
由来
編集『詩経』小雅・小旻「戦戦兢兢、如臨深淵、如履薄氷」より。